こんにちは、行政書士の貞夫です。

最近、

「行政書士 廃止」

というキーワードでネット検索をされる方が増えているようです。

私のところにも、受験生の方や資格取得を検討している方から

「行政書士って本当になくなるんですか?」

という不安の声が届くことがあります。

正直に言って、こういった噂を目にすると、私自身も最初は驚きました。

でも、冷静に調べてみると、これらの噂には全く根拠がないことが分かります。

むしろ、行政書士の業務範囲は年々拡大しており、社会からのニーズも高まっているんです。

今回は、行政書士の貞夫として、この「廃止の噂」について徹底的に調査しました。

なぜこんな噂が広まったのか、その背景にはどんな理由があるのか。

そして、行政書士という資格が今後も存続し続ける根拠についても、詳しくお伝えしていきます。

受験を検討している方、すでに勉強を始めている方、そして行政書士という職業に興味を持っている全ての方に、安心していただける内容になっているはずです。

行政書士が廃止されるという噂の真相を調査

30年前の行政改革委員会における議論が発端?

「行政書士が廃止される」という噂の発端を辿ってみると、今から約30年前に行き着きます。

平成9年(1997年)に開催された「行政改革委員会規制緩和小委員会」で、「行政書士による書類作成業務独占の廃止」という議論がなされたことがあったんです。

ただし、ここで重要なポイントがあります。

それは「行政書士という資格の廃止」ではなく、「業務独占の在り方」についての検討だったということです。

しかも、この議論は同じ年の最終報告では表現が改められ、実際に廃止されることはありませんでした。

つまり、30年前の一時的な議論が、いつの間にか「行政書士が廃止される」という誤った情報に変わってしまったと考えられます。

私がこの事実を知ったとき、「なるほど、こういう経緯だったのか」と納得しました。

インターネットが普及する前の出来事ですから、正確な情報が伝わりにくかったのかもしれません。

ネット掲示板やSNSで拡散される情報の信憑性

現代では、SNSや匿名掲示板で様々な情報が飛び交っています。

「行政書士 廃止」という噂も、こういったプラットフォームで拡散されてきました。

私も実際にいくつかの掲示板を覗いてみましたが、多くは根拠のない憶測や不安を煽るような書き込みでした。

「AIに仕事を奪われる」「司法書士と統合される」「特認制度が廃止される」など、様々な話が混在していました。

でも、冷静に考えてみてください。

もし本当に国家資格が廃止されるような大きな動きがあれば、必ず公式な発表があるはずです。

国会での法改正審議、パブリックコメントの募集、業界団体との協議、大手メディアによる報道など、様々な形で情報が出てくるでしょう。

それがないということは、つまり廃止の話自体が存在しないということなんです。

私たち行政書士は、法律の専門家として正確な情報を扱う職業です。

だからこそ、根拠のない噂に惑わされず、公式な情報源を確認する姿勢が大切だと感じています。

令和6年度の試験科目の追加・変更が示す制度の強化

むしろ、最近の動きを見ると、行政書士制度は強化される方向にあると言えます。

令和6年度から行政書士試験の科目が大幅に変更されました。

具体的には、「個人情報保護法」が新たに試験科目に追加されるなど、より実務に直結した内容へと調整されているんです。

私は、この変更を知ったとき「これは制度の充実を意味している」と確信しました。

もし本当に資格制度が廃止されるなら、わざわざこのタイミングで試験内容を変更する必要はないはずです。

むしろ、時代のニーズに合わせて試験を進化させているということは、今後も長く続く制度であることの証明だと考えられます。

私自身、試験制度の変更について勉強し直す必要がありましたが、これも行政書士として社会に貢献し続けるための大切なステップだと感じています。

行政書士の資格がなくなると言われる理由と背景にある懸念

生成AI(人工知能)による書類作成業務の自動化

「AIが発達したら、行政書士の仕事はなくなるんじゃないか」

この懸念は、私も何度も耳にしてきました。

確かに、ChatGPTなどの生成AIは目覚ましい進化を遂げています。

簡単な契約書や定型的な書類であれば、AIが作成することも技術的には可能でしょう。

でも、私は現場で日々実感しています。

行政書士の仕事は、単なる書類作成だけではないということを。

例えば、建設業許可の申請を考えてみてください。

単に申請書を書けばいいというわけではありません。

依頼者の事業内容を詳しくヒアリングし、どの許可区分が適切か判断し、必要な要件を満たしているか確認し、不足している書類を指摘し、役所との事前相談を行う。

こういった一連のプロセス全体が、私たちの仕事なんです。

AIは確かに書類の「下書き」は作れるかもしれません。

でも、依頼者の複雑な事情を理解し、最適な解決策を提案し、安心感を与えるのは、やはり人間にしかできないことだと考えられます。

むしろ、AIを道具として活用することで、私たち行政書士はより高度な業務に集中できるようになるのではないでしょうか。

司法書士との統合や再編成を望む声

「行政書士と司法書士を統合したらいいのでは」という意見も、時々聞かれます。

この意見の背景には、依頼者側の視点があると思います。

例えば、会社を設立するとき、定款の作成は行政書士、登記申請は司法書士と、別々の専門家に依頼しなければなりません。

「一人の専門家にまとめてお願いできたら楽なのに」と思う気持ちは、とてもよく分かります。

でも、実際には行政書士と司法書士では、扱う業務の性質が大きく異なります。

行政書士は、官公署に提出する許認可申請や、契約書などの権利義務に関する書類作成が中心です。

一方、司法書士は登記業務や裁判所関連の手続きに特化しています。

e-Gov法令検索を見ても、それぞれの法的根拠や管轄官庁が異なることが分かります。

行政書士は総務省、司法書士は法務省の管轄なんです。

この違いを無視して統合するのは、制度設計上も実務面でも非常に困難だと考えられます。

私自身、司法書士の先生方と連携して仕事をすることがよくありますが、お互いの専門性を尊重し合うことで、より良いサービスを提供できていると感じています。

依頼者側のワンストップサービスへのニーズ

ただし、依頼者が求める「ワンストップサービス」のニーズ自体は、非常に正当なものです。

「あっちの専門家、こっちの専門家と、何人にも依頼するのは大変」

この気持ちは、私も本当によく理解できます。

実際、私のところにも「全部まとめてお願いできませんか?」というご相談が来ることがあります。

そんなとき、私は正直にお答えします。

「登記業務は私ではできませんが、信頼できる司法書士の先生をご紹介できますよ」と。

そして、司法書士の先生と連携しながら、お客様をサポートしていくんです。

これこそが、現代の行政書士に求められている「街の法律家」としての役割だと思います。

一人で全てを抱え込むのではなく、適切な専門家のネットワークを持ち、お客様を最適な解決策へと導く。

私は、弁護士、司法書士、税理士、社会保険労務士など、様々な士業の先生方とのつながりを大切にしています。

お客様にとって最善の選択肢を提供することが、結果的に私たち行政書士の価値を高めることにもつながると考えています。

類似資格との業務重複による競争の激化

確かに、他の士業との業務重複による競争は、年々激しくなっていると感じます。

例えば、相続業務は行政書士、司法書士、税理士、弁護士など、複数の士業が関わる分野です。

遺産分割協議書の作成は行政書士でもできますが、司法書士の先生も作成されます。

相続税の申告は税理士の先生、相続トラブルの解決は弁護士の先生の専門分野です。

この状況を「競争が激しい」と捉えることもできますが、私は違う見方をしています。

それぞれの専門家が得意分野を活かし、連携することで、より充実したサービスを提供できる環境だと考えているんです。

実際、私が相続案件を受けるときは、必要に応じて税理士の先生や司法書士の先生と連携します。

お客様にとっては、一つの窓口で複数の専門家のサポートが受けられるというメリットがあります。

競争ではなく、協力。

これが、これからの士業界のあり方ではないかと、私は思っています。

制度が存続し続ける根拠と将来的な価値

法律で規定された国家資格としての安定性

行政書士が廃止されない最大の理由は、これが法律で定められた国家資格だからです。

行政書士法という法律によって、私たちの業務範囲や権限が明確に規定されています。

行政書士法第1条の2には、行政書士の業務内容が詳しく書かれています。

国家資格を廃止するということは、法律を改正するということです。

そのためには、国会での審議、過半数の賛成、関係団体との調整など、膨大な手続きが必要になります。

しかも、既存の5万人以上の行政書士や、その家族、関連する事務所スタッフなど、影響を受ける人の数は計り知れません。

社会的な混乱を考えると、そんな大規模な制度変更を行う合理的な理由は見当たりません。

私は、この法的な安定性こそが、行政書士という資格の強みだと感じています。

時代の変化に合わせて柔軟に業務範囲を広げながらも、根幹となる法的基盤はしっかりと守られている。

これが、国家資格としての信頼性につながっているんです。

150年以上の歴史と5万人を超える登録者の存在感

行政書士の歴史は、実は150年以上も前に遡ります。

明治5年(1872年)に制定された「代書人制度」が、私たちの前身なんです。

当時は「代書人」と呼ばれていましたが、時代とともに役割が拡大し、昭和26年(1951年)に「行政書士法」が施行されて現在に至っています。

150年以上も社会から必要とされ続けているということは、それだけ重要な役割を担ってきた証拠だと思います。

もし社会にとって不要な職業であれば、こんなに長く続くことはなかったでしょう。

そして現在、全国には5万人以上の行政書士が登録しています。

これだけの人数が資格を持ち、それぞれの地域で業務を行っているということは、社会的なニーズが確実に存在するということです。

私自身、地元で開業して以来、様々な方々のお手伝いをしてきました。

飲食店を開業したい方、会社を設立したい方、相続で困っている方、外国人の在留資格で悩んでいる方。

本当に多様なニーズがあり、それに応えることが私たちの使命だと感じています。

むしろ拡大傾向にある「特定行政書士」などの権限

「行政書士は廃止される」どころか、実際には業務範囲が拡大しているんです。

平成26年(2014年)には「特定行政書士制度」が創設されました。

これは、特定の研修を修了した行政書士が、行政不服申立ての手続きを代理できるという制度です。

つまり、行政機関の処分に不服がある方の代理人として、審査請求を行うことができるようになったんです。

私も特定行政書士の資格を取得しましたが、この研修はかなり専門的な内容でした。

行政法の深い理解、判例の分析、実務的な手続きなど、約18時間の講義と考査試験を経て、ようやく資格を得ることができました。

この制度の創設は、行政書士の専門性がさらに高まったことを意味しています。

また、平成16年には行政書士法人制度が創設され、法人形態での事務所運営も可能になりました。

平成20年には、聴聞や弁明の機会の付与に係る代理権も認められました。

このように、法改正のたびに行政書士の業務範囲は着実に拡大してきたんです。

廃止どころか、むしろ社会のニーズに応じて進化し続けている資格だと言えるでしょう。

政治的な影響力と職能団体の組織力

これはあまり表に出ない話ですが、行政書士には政治的な影響力もあります。

全国に5万人以上という数は、単なる数字ではありません。

選挙で言えば、5万票以上の影響力があるということです。

実際、行政書士の資格を持ちながら政治家として活動されている方も複数いらっしゃいます。

私の知人の公認会計士の方も、政治活動のために行政書士として登録されていました。

「行政書士としての業務は一切しないけど、つながりを持つために登録している」とおっしゃっていました。

また、日本行政書士会連合会をはじめとする職能団体の組織力も無視できません。

全国の行政書士会が連携し、法改正に対する意見表明や、業界の発展のための活動を行っています。

こういった組織的な力があるからこそ、不合理な制度変更に対しては声を上げることができるんです。

私は、こうした政治的・組織的な側面も、行政書士という資格の安定性を支える重要な要素だと考えています。

特認制度の撤廃や法改正に関する不確かな情報

公務員への無試験付与が不公平とされる議論の現状

「特認制度」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

これは、一定期間以上公務員として行政事務に携わった方が、試験を受けずに行政書士資格を取得できる制度です。

具体的には、高卒以上で17年以上、中卒で20年以上、行政事務を担当した公務員の方が対象になります。

この制度に対して、「試験を受けて苦労して合格した人と不公平だ」という意見があることは事実です。

私自身、試験勉強は本当に大変でしたから、そういった意見が出るのも理解できます。

でも、冷静に考えてみると、17年や20年という長期間、現場で行政事務に携わってきた経験も、立派な実力だと思うんです。

試験で問われる知識と、実務で培われる経験。

どちらも行政書士として必要な要素であり、一概に不公平とは言えないのではないでしょうか。

現在のところ、特認制度が廃止されるという公式な発表はありません。

ネット上で「廃止される」という噂が流れることがありますが、これも根拠のない情報だと考えられます。

仮に将来的に制度が見直されることがあったとしても、それは時代のニーズに合わせた適切な変更であるべきでしょう。

民法改正(再婚禁止期間の廃止等)における用語の混同

「廃止」という言葉が出てくる別の文脈として、民法改正があります。

令和6年4月1日から、「女性の再婚禁止期間の廃止」という民法改正が施行されました。

これまでは、女性は離婚後100日を経過しないと再婚できないというルールがありました。

でも、この規定が廃止され、前夫以外の相手との再婚後に生まれた子は、再婚相手の子と推定されるようになったんです。

この「廃止」という言葉が、「行政書士の廃止」と混同されてしまうことがあるようです。

特に、行政書士試験の受験生にとって、民法は重要な試験科目です。

この改正内容を勉強している際に、「廃止」という言葉が頻繁に出てくるため、不安になってしまう方もいるのかもしれません。

でも、これは全く別の話です。

民法の一部規定の廃止と、行政書士という資格制度の廃止は、まったく関係がありません。

私たち行政書士は、こういった法改正の内容をしっかりと理解し、依頼者に正確な情報を提供する必要があります。

むしろ、法改正があるたびに新たな業務のニーズが生まれるのが、行政書士の仕事の特徴でもあるんです。

既存の有資格者や受験生への影響に関する可能性

もし仮に、本当に行政書士が廃止されるようなことがあったら、どうなるでしょうか。

既存の5万人以上の行政書士は、一夜にして職を失うことになります。

それぞれの生活基盤が崩壊し、家族にも影響が及びます。

事務所を構えている方は、事務所の閉鎖、スタッフの解雇、顧客との契約破綻など、計り知れない混乱が生じるでしょう。

そして、現在試験勉強をしている受験生の方々は、これまでの努力が全て無駄になってしまいます。

時間もお金も労力も、全て水の泡です。

こんな重大な社会的混乱を引き起こすような制度変更が、合理的な理由もなく行われるでしょうか。

答えは明らかです。

ありえません。

私は、こういった現実的な影響を考えれば、行政書士が廃止される可能性は限りなくゼロに近いと確信しています。

むしろ、私たちがするべきことは、噂に惑わされることではありません。

日々の業務を通じて専門性を高め、依頼者に価値を提供し続けること。

そして、社会から必要とされる存在であり続けることです。

まとめ

今回は、「行政書士廃止の噂」について、徹底的に調査してきました。

結論として、この噂には全く根拠がないことが分かりました。

30年前の行政改革委員会での議論が誤って伝わったこと、AIの発達による不安、他士業との競争激化など、様々な要因が重なって噂が生まれたと考えられます。

しかし実際には、行政書士は法律で定められた国家資格として安定しており、150年以上の歴史と5万人以上の登録者を持つ、社会的に重要な職業です。

むしろ、特定行政書士制度の創設など、業務範囲は拡大傾向にあります。

令和6年度の試験科目の変更も、制度の強化を示すものです。

私自身、行政書士として日々の業務に誇りを持っています。

依頼者の方々の困りごとを解決し、安心を提供できることが、この仕事の何よりのやりがいです。

もしあなたが行政書士試験の受験を検討しているなら、安心して挑戦してください。

もしあなたが行政書士への依頼を考えているなら、私たちは確かな専門知識でサポートいたします。

そして、もしあなたが不確かな情報を目にしたら、公式な情報源を確認する習慣をつけてください。

行政書士という資格は、これからも社会に必要とされ続けるでしょう。