行政書士試験の勉強を進めていくと、必ず立ちはだかる壁があります。

それが「記述式問題」です。

私も受験生時代、この記述式問題には本当に悩まされました。

択一式の問題は過去問を繰り返し解けばある程度パターンが見えてくるのですが、記述式となると話は別です。

「どう書けばいいのかわからない」「模範解答と全然違う答えになってしまう」そんな不安を抱えていた時期もありました。

でも、正しい対策法を知ってからは、記述式が得点源になったんです。

今回は、行政書士試験における記述式対策について、私自身の経験を交えながら詳しく解説していきます。

記述式に苦手意識を持っている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

行政書士試験における本試験の特徴と配点

300点満点中60点の重みと合格ライン突破への影響

行政書士試験は300点満点で、合格には180点以上が必要です。

この中で記述式問題は60点という配点を持っています。

たった3問で60点なんです。

これがどれだけ大きいか、実感していますか?

私は最初、「3問だけだし、他で点を取れば大丈夫」と軽く考えていました。

でも実際に受験してみると、択一式だけで180点を取るのは想像以上に難しいんです。

特に一般知識で足切りにならないようにしながら、法令科目で高得点を維持するのは至難の業と考えられます。

記述式の60点は、合格ラインを突破するための「最後の砦」なんです。

ここで10点でも20点でも積み上げられるかどうかが、合否を分ける可能性が高いと言えるでしょう。

3問構成の内訳と制限文字数のルール

記述式問題は全部で3問出題されます。

内訳は、民法から2問、行政法から1問です。

それぞれ1問あたり20点の配点となっています。

そして、解答は「40字程度」という制限文字数の中で記述しなければなりません。

この「40字程度」というのが曲者なんです。

多すぎても少なすぎてもダメ。

必要な要素を簡潔にまとめる力が求められます。

私は最初、文字数を気にせず書いていたら60字を超えてしまい、削る作業に苦労しました。

逆に短すぎると必要なキーワードが抜けてしまい、部分点すらもらえないという事態にもなりかねません。

40字という限られた枠の中で、いかに的確に法的構成と結論を示すか。

これが記述式問題の最大の特徴であり、難しさでもあります。

合否を分ける部分点の仕組みと採点に関する傾向

完璧を目指さずキーワードを積み上げる加点方式の考え方

記述式問題で私が一番驚いたのは、「部分点」の存在です。

択一式はマークシートなので、正解か不正解かがハッキリしています。

でも記述式は違うんです。

完璧な模範解答を書けなくても、必要なキーワードが含まれていれば部分点がもらえる可能性があります。

これは本当に救いでした。

私が実際に受験した年、3問中1問は全く自信がありませんでした。

でも、とにかく問題文から読み取れるキーワードを詰め込んで書いたんです。

結果として、その問題でも10点近い部分点がもらえていたことが後からわかりました。

完璧を目指すのではなく、「このキーワードは絶対に入れる」という意識で書くこと。

これが記述式で点を稼ぐコツだと私は感じました。

年度ごとの難易度による評価基準調整の可能性について

記述式の採点には、実は「年度ごとの調整」があるという噂があります。

公式には発表されていませんが、合格率が毎年10~15%前後に収まっているのは偶然ではないという見方もあるようです。

例えば、択一式が簡単だった年は記述式の採点が厳しくなり、逆に択一式が難しかった年は記述式が少し甘めになる、といった調整が行われている可能性があると考えられます。

私が受験した年は択一式が比較的取りやすかったのですが、記述式の採点は厳しかったように感じました。

自己採点では40点くらい取れたと思っていたのに、実際はもっと低かったのではないかと思います。

これは推測の域を出ませんが、記述式の採点基準は毎年微妙に変わっている可能性があるということです。

だからこそ、どんな年でも対応できるように、しっかりとした基礎力を身につけておくことが大切だと言えるでしょう。

短期間で得点力を高める記述式対策の具体的な手法を解説

択一知識をアウトプットに変える「思考プロセス」の構築

記述式対策で最も重要なのは、「択一知識をアウトプットに変える力」だと私は考えています。

択一式の問題は、選択肢の中から正解を選ぶ形式です。

でも記述式は違います。

自分の頭の中から知識を引っ張り出して、文章として表現しなければなりません。

私が実践したのは、択一式の過去問を解く際に「これを記述式で聞かれたらどう答えるか」と常に意識することでした。

例えば、「無権代理」の問題を解いた後、「無権代理の要件と効果を40字で説明してください」と自分に問いかけるんです。

最初は全然書けませんでした。

でも繰り返すうちに、「要件は何か」「効果はどうなるか」という思考の流れが自然にできるようになったんです。

この思考プロセスの構築が、記述式の得点力を高める第一歩だと感じました。

模範解答の写経や要約を通じた文章の「型」の習得

記述式の勉強で私が一番効果を感じたのが、「写経」と「要約」です。

模範解答をただ読むだけでは、なかなか身につきません。

実際に手を動かして書くことで、文章の「型」が頭に入ってくるんです。

私はノートに模範解答を何度も書き写しました。

そして、その後で40字以内に要約する練習もしました。

「この部分は削れる」「このキーワードは絶対に必要」という判断ができるようになったのは、この練習のおかげだと思います。

また、写経することで漢字の正確性も身につきました。

「訴訟」を「訴状」と書いてしまったり、「義務付け」を「義務づけ」と書いてしまったり、細かいミスを防ぐ効果もあったと感じています。

地味な作業ですが、これが合格への近道だったと今でも思います。

過去問演習で出題箇所を正確に見極める訓練

記述式の過去問演習は、単に答えを書く練習だけではありません。

「どこから出題されているか」を見極める訓練にもなるんです。

私が過去問を解いていて気づいたのは、記述式で問われるテーマは択一式で頻出のものばかりだということでした。

特に民法では、代理、債権、不法行為といった典型論点が繰り返し出題されています。

行政法では、行政事件訴訟法の訴訟類型が中心です。

過去問を解く際は、「この事例は何の論点か」を瞬時に判断できるようにすることが大切だと感じました。

私は過去問を解いた後、必ず「この問題のテーマは〇〇」とノートに書いていました。

これを繰り返すことで、本番でも冷静に論点を見極められるようになったと思います。

科目別の頻出テーマと攻略ポイント

行政法:行政事件訴訟法を中心とした訴訟類型の判断

行政法の記述式は、ほとんどが行政事件訴訟法から出題されます。

特に訴訟類型の判断が問われることが多いです。

差止・義務付け・無効確認の使い分け

私が苦労したのが、「差止訴訟」「義務付け訴訟」「無効確認訴訟」の使い分けでした。

それぞれの要件と使い分けをきちんと理解していないと、記述式では全く点が取れません。

差止訴訟は、行政庁が一定の処分をしようとしている場合に、その処分を事前に止めるための訴訟です。

義務付け訴訟は、申請型と非申請型があり、行政庁に一定の処分をするよう求める訴訟です。

無効確認訴訟は、行政処分が重大かつ明白な瑕疵により無効であることを確認する訴訟です。

私はこれらの違いを表にまとめて、何度も見返しました。

本番でも、「この事例はどの訴訟類型か」を冷静に判断できたのは、この準備のおかげだと思っています。

民法:代理・債権・不法行為などの典型事例への当てはめ

民法の記述式は、典型事例への当てはめが中心です。

代理、債権、不法行為といった頻出テーマをしっかり押さえておけば、対応できる問題が多いと言えるでしょう。

第三者詐欺や物上代位などの重要論点

私が特に力を入れて勉強したのが、「第三者詐欺」と「物上代位」です。

第三者詐欺は、相手方以外の第三者が詐欺を行った場合に、契約を取り消せるかという論点です。

これは民法96条2項に規定があり、相手方が悪意または有過失の場合に取り消せるという内容です。

物上代位は、抵当権者が抵当不動産の売却代金などに対して優先弁済を受けられる権利です。

これらの論点は、事例問題として出題されやすく、キーワードもはっきりしています。

私は過去問で何度も同じような問題を解いて、スラスラ書けるレベルまで仕上げました。

こうした重要論点を確実に押さえることが、民法の記述式攻略のカギだと感じています。

実戦で役立つ答案構成のテクニックと注意点

40字程度に情報を凝縮する文章作成のコツ

40字という限られた文字数の中で、必要な情報を全て盛り込むのは本当に難しいです。

私が意識したのは、「結論→理由→キーワード」という順番です。

まず結論を簡潔に述べて、その理由を条文や判例に基づいて示し、必須のキーワードを漏らさず入れる。

この流れを守ることで、読みやすく、かつ採点者に伝わりやすい答案が書けるようになりました。

また、無駄な接続詞や冗長な表現は徹底的に削りました。

「〜であると考えられる」ではなく「〜である」と断定する方が、文字数を節約できます。

ただし、推測の場合は「〜と考えられる」「〜という噂がある」など、断定を避ける表現も使い分けました。

こうした細かな工夫の積み重ねが、40字以内に収めるコツだと思います。

漢字の書き間違いやケアレスミスを防ぐ手書きの習慣

記述式は手書きなので、漢字の間違いやケアレスミスが命取りになることもあります。

私は普段からノートに手書きで答案を書く習慣をつけました。

パソコンで打つだけでは、漢字の正確性が身につかないんです。

「請求」「請負」「撤回」「取消」など、似たような漢字を正確に書けるようにしておくことが大切だと感じました。

また、書いた後は必ず見直しをする癖もつけました。

誤字脱字があると、それだけで減点される可能性もあると考えられます。

本番では時間がないかもしれませんが、せめて1分でも見直しの時間を確保することが重要だと思います。

まとめ

行政書士試験の記述式問題は、確かに難しいです。

でも、正しい対策をすれば必ず得点できるようになります。

私自身、最初は全く書けなかった記述式が、最終的には得点源になりました。

大切なのは、完璧を目指さないこと。

部分点を積み上げるつもりで、必要なキーワードを確実に書くこと。

そして、択一知識をアウトプットに変える思考プロセスを身につけること。

模範解答の写経や要約を通じて、文章の「型」を習得すること。

過去問演習で出題箇所を正確に見極める訓練をすること。

こうした地道な努力が、合格への道を開いてくれると私は信じています。

記述式に苦手意識を持っている方も、諦めないでください。