こんにちは、行政書士の貞夫です。

「行政書士って、具体的にどんな仕事をしてるんですか?」

この質問、私もこれまでに何度も聞かれてきました。

実は私自身、資格を取る前は「書類を作る人」くらいのぼんやりとしたイメージしかありませんでした。

でも、実際に行政書士として現場に立ってみると分かったことがあります。

それは「これは行政書士じゃないと絶対にできない」という仕事が、確かに存在するということです。

今回は、私が日々の業務で実感している「行政書士の独占業務」について、できるだけわかりやすくお伝えしていきたいと思います。

具体的な事例や、他の士業との違いも交えながらご紹介しますので、行政書士への依頼を検討されている方にもきっと役立つ内容になっているはずです。

Contents

行政書士の3大独占業務を解説!法的根拠と定義

行政書士法第1条の2に基づく国家資格者の権限

行政書士の業務は、行政書士法という法律でしっかりと定められています。

特に重要なのが、第1条の2という条文です。

ここには「行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類その他権利義務又は事実証明に関する書類を作成することを業とする」と明記されています。

つまり、行政書士は法律によって認められた、書類作成のプロフェッショナルなんです。

私も日々の仕事で、この条文の重みを実感しています。

お客様から「こんな書類を作ってほしい」と相談を受けたとき、この法律が私の仕事の根拠になっているわけですね。

有償で引き受けることが制限される「有償業務独占」の仕組み

ここで重要なポイントがあります。

行政書士の独占業務は「有償業務独占」と呼ばれるものです。

これは、報酬を得て業務を行う場合に限り、行政書士の資格が必要になるという意味です。

逆に言えば、無償で自分の書類を作る分には、誰でも問題ありません。

でも、他人の書類を有償で作成したり、代行したりするには、行政書士の資格が絶対に必要なんです。

私の友人に、「ちょっと知り合いの申請書類を手伝ってあげたらお礼をもらった」という人がいました。

これ、実は法律違反になる可能性があるんです。

無資格者が有償で行政書士業務を行うことは、法律で禁止されています。

無資格者が代行した場合に科される罰則規定

では、もし無資格者が有償で行政書士の業務を行ってしまったらどうなるのでしょうか。

行政書士法第21条第2項には、明確な罰則規定があります。

具体的には「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」という、かなり重い処罰が科される可能性があるんです。

行政書士法第21条2項|e-Gov法令検索

以前、私のところに相談に来られた方で、「別の業者に補助金申請を頼んだら、適当な書類を作られて不備が出た」という方がいらっしゃいました。

調べてみると、その業者は行政書士の資格を持っていなかったんです。

結果として、補助金は受け取れず、お客様は大きな損失を被ってしまいました。

こういったトラブルを避けるためにも、必ず資格を持った行政書士に依頼することが大切だと考えられます。

1万種類を超えると言われる膨大な取り扱い範囲の全体像

行政書士が作成できる書類の数は、なんと1万種類以上とも言われています。

これは本当に驚くべき数字です。

他の士業と比較してみると分かりやすいかもしれません。

例えば税理士さんは主に税務署に提出する書類、司法書士さんは主に法務局や裁判所に提出する書類を扱います。

それに対して行政書士は、様々な官公署に提出する書類を広く扱えるんです。

市役所、区役所、警察署、保健所、入国管理局など、実に多様な行政機関が対象になります。

私自身、毎日のように異なる種類の書類を扱っていますが、それでもまだ経験したことのない業務がたくさんあります。

それくらい、行政書士の業務範囲は広大なんです。

行政書士しかできない仕事①:官公署に提出する書類の作成

建設業許可や飲食店営業許可などの許認可申請

行政書士の独占業務の中でも、特に代表的なのが「許認可申請」の分野です。

私が日々の業務で最もよく扱うのも、この分野ですね。

例えば、建設業を始めようとする方には「建設業許可」が必要です。

これは非常に複雑な申請で、財務状況や技術者の資格、過去の経験など、様々な要件を満たす必要があります。

また、飲食店を開業する際には「飲食店営業許可」が必要になります。

保健所に提出する書類や、店舗の平面図なども準備しなければなりません。

以前、私がお手伝いしたカフェ開業のケースでは、保健所から「厨房の配置を変更してください」という指摘があり、何度も図面を書き直すことになりました。

でも、最終的に無事に許可が下りたときの、お客様の喜ぶ顔は今でも忘れられません。

警察署へ届け出る車庫証明や自動車登録の手続き

車に関する手続きも、行政書士の重要な独占業務です。

特に「車庫証明」は、引っ越しや車の購入時に必ず必要になる手続きです。

これは警察署に「ちゃんと車を停める場所がありますよ」ということを証明するための書類なんです。

配置図を作成したり、使用承諾書を用意したり、意外と手間がかかる作業なんですよね。

私も不動産会社さんから「お客さんが引っ越すので車庫証明をお願いしたい」と依頼されることがよくあります。

現地に行って実際の駐車場を確認し、正確な図面を作成して警察署に提出します。

この車庫証明業務は、有償で代行できるのは行政書士だけなんです。

ディーラーさんや不動産業者さんでは、法律上できないことになっています。

運送業や産業廃棄物収集運搬業などの複雑な要件確認

より専門性の高い許認可申請もあります。

例えば、運送業や産業廃棄物収集運搬業の許可申請は、非常に複雑で難易度が高いんです。

運送業の場合、車両の台数、営業所の設備、資金計画、運行管理者の資格など、多岐にわたる要件を満たさなければなりません。

産業廃棄物収集運搬業も同様に、講習の受講、車両の要件、保管施設の基準など、細かい規定があります。

こういった申請は、準備だけで数ヶ月かかることも珍しくありません。

私も以前、運送業の許可申請をお手伝いしたときは、半年以上の期間を要しました。

でも、その分お客様の事業の立ち上げに深く関わることができ、やりがいを強く感じた案件でもありました。

帰化申請や在留資格(ビザ)に関する入管関連の代行

外国人の方の支援も、行政書士の重要な業務です。

特に「帰化申請」や「在留資格(ビザ)」に関する手続きは、非常に専門性が高い分野と言えます。

帰化申請は、外国籍の方が日本国籍を取得するための手続きです。

必要な書類は数十種類にも及び、母国から取り寄せる書類もあります。

また、在留資格の申請や更新、変更なども、入国管理局での複雑な手続きが必要です。

私のお客様で、ベトナムからの留学生が就職のために在留資格を変更したいというケースがありました。

会社との雇用契約書、事業内容の説明資料、本人の学歴証明など、多くの書類を準備し、無事に許可を得ることができました。

そのときの「ありがとうございます!」という言葉は、本当に嬉しかったですね。

専門家が担う②:権利義務に関する書類の作成と相談

遺産分割協議書や遺言書といった相続関連の書面

権利義務に関する書類とは、人と人との間の権利や義務を明確にするための書類です。

特に相続関連の書類は、私たち行政書士が日常的に扱う重要な業務の一つです。

例えば「遺産分割協議書」は、相続人全員で遺産をどう分けるか話し合った結果を文書にするものです。

この書類があることで、後々のトラブルを防ぐことができるんです。

また「遺言書」の作成サポートも行います。

特に公正証書遺言の場合は、公証人役場での手続きが必要になります。

以前、高齢のお客様から「子どもたちが争わないように、きちんと遺言を残したい」と相談を受けました。

お客様の想いをじっくりとお聞きし、法的に有効な形で遺言書を作成することができました。

こういった仕事は、単なる書類作成以上の意味があると感じています。

各種契約書や示談書など私人間の合意を形にする業務

契約書の作成も、行政書士の重要な業務です。

売買契約書、賃貸借契約書、業務委託契約書など、種類は本当に多様です。

私がよく扱うのは、事業者間の取引に関する契約書ですね。

「口約束だけだと不安だから、きちんと書面にしたい」というご相談をよくいただきます。

また「示談書」の作成もあります。

これは、何らかのトラブルが起きた際に、当事者間で話し合って解決した内容を文書にするものです。

ただし、ここで注意が必要なのは、当事者間に争いがある場合の交渉は、弁護士さんの独占業務になるということです。

私たち行政書士は、あくまで話し合いがまとまった後の書面化を担当するんです。

この線引きは、日々の業務でとても重要なポイントだと考えています。

特定行政書士のみが扱える行政不服申立ての手続き

ここで「特定行政書士」という制度についてもご紹介したいと思います。

これは、特定の研修を受けた行政書士だけが扱える業務があるという制度です。

具体的には「行政不服申立て」の手続きの代理を行うことができるんです。

行政不服申立てとは、行政機関の処分に不服がある場合に、その見直しを求める手続きのことです。

例えば、許可申請が不許可になった場合などに、その処分に対して異議を申し立てることができます。

私も特定行政書士の資格を取得していますが、この研修はかなり専門的な内容でした。

でも、お客様により幅広いサポートを提供できるようになったと感じています。

嘆願書や請願書など行政に対する意思表示のサポート

行政に対して何らかの意思を表明したいときにも、行政書士がサポートできます。

「嘆願書」や「請願書」といった書類がそれにあたります。

嘆願書は、行政機関に対して何らかの配慮や措置をお願いする文書です。

請願書は、地方議会などに対して意見や要望を提出する文書です。

こういった書類は、法的な形式や表現が重要になってきます。

私も地域の住民の方々から「公園の整備を要望したい」という相談を受けて、請願書の作成をお手伝いしたことがあります。

単なる要望書ではなく、しっかりとした根拠と表現で作成することで、行政にも伝わりやすくなると考えられます。

実務を支える③:事実証明に関する書類の作成代行

定款や株主総会議事録などの会社設立・運営に必要な記録

事実証明に関する書類とは、社会生活における客観的な事実を証明するための文書です。

会社関連の書類がその代表例ですね。

例えば「定款」は、会社のルールを定めた根本規則です。

会社を設立するときには、この定款を作成し、公証人の認証を受ける必要があります。

私も会社設立のサポートをすることがよくありますが、定款の作成から認証手続きまで、一貫してお手伝いしています。

また、会社を運営していく上では「株主総会議事録」や「取締役会議事録」といった記録も必要になります。

これらは、会社の重要な意思決定の記録として、法的に保存が義務付けられているんです。

ただし、会社設立の「登記申請」については司法書士さんの独占業務になりますので、私たち行政書士は扱えません。

この点は、お客様にもしっかりとご説明するようにしています。

会計帳簿や実地調査に基づく図面類の作成支援

会計関連の書類も、行政書士が作成できる範囲があります。

会計帳簿や貸借対照表、損益計算書などの財務諸表は、事実証明に関する書類として扱われます。

ただし、税務申告そのものは税理士さんの独占業務ですので、その点は注意が必要です。

私たち行政書士は、申請や届出に必要な会計書類の作成をサポートする形になります。

また「実地調査に基づく図面類」の作成も、行政書士の業務です。

位置図、案内図、現況測量図など、実際に現地を調査して作成する図面ですね。

私も建設業許可の申請で、営業所や工事現場の配置図を作成することがよくあります。

現地に足を運んで、正確な情報を図面に落とし込む作業は、意外と時間がかかるんです。

融資や補助金申請に不可欠な事業計画書の策定

事業を始める方や拡大したい方にとって、資金調達は大きな課題です。

そのときに必要になるのが「事業計画書」です。

これは、どんな事業をどのように展開していくのか、収支の見込みはどうかなど、具体的に記載する書類です。

金融機関からの融資を受ける際や、補助金を申請する際には、この事業計画書が非常に重要になります。

私も数多くの事業計画書を作成してきましたが、お客様のビジネスの強みをどう表現するか、数字の根拠をどう示すか、毎回試行錯誤の連続です。

以前、飲食店を開業したいという若い方の事業計画書を作成したとき、お客様の熱い想いをしっかりと盛り込んで、無事に融資を受けることができました。

その後、お店が軌道に乗って「貞夫さんのおかげです」と言ってもらえたときは、この仕事をやっていて良かったと心から思いました。

交通事故調査報告書など客観的な事実を証明する文書

客観的な事実を記録する書類も、行政書士の重要な業務です。

例えば「交通事故調査報告書」は、事故の状況を客観的に記録し、保険会社や関係機関に提出する書類です。

事故の現場を調査し、写真を撮影し、関係者から聞き取りを行い、正確な報告書を作成します。

こういった書類は、後々の示談交渉や保険金の請求に大きく影響する可能性があります。

だからこそ、専門家として正確で公正な記録を作成することが求められるんです。

私自身、交通事故の案件を扱う際には、常に客観性を意識して、感情に流されないように注意しています。

事実は事実として、しっかりと記録に残すこと。

それが、事実証明に関する書類作成の基本だと考えています。

他士業(弁護士・司法書士・税理士)との境界線と注意点

紛争解決や登記申請など「扱えない範囲」の明確化

行政書士の業務は幅広いですが、他の士業の独占業務は扱えません。

この線引きを明確に理解しておくことは、とても重要です。

まず弁護士さんの独占業務としては、「紛争性のある事案の代理」や「裁判手続き」があります。

つまり、当事者間で争いがある場合の交渉や訴訟は、弁護士さんでなければできないんです。

私も相談を受けた際に「これは弁護士さんの領域だな」と判断したら、すぐに信頼できる弁護士さんをご紹介するようにしています。

司法書士さんの独占業務は「登記申請」です。

不動産の登記や会社の設立登記などは、司法書士さんの専門分野になります。

税理士さんの独占業務は「税務申告」です。

確定申告や法人税の申告などは、税理士さんでなければ代理できません。

こういった他士業の独占業務を行政書士が行ってしまうと、それぞれの法律で定められた罰則が科される可能性があります。

私たち行政書士は、自分の業務範囲をしっかりと理解し、お客様に正直に伝えることが大切だと考えています。

街の法律家としてワンストップサービスを提供する役割

ただし、他士業の独占業務があるからといって、行政書士の価値が下がるわけではありません。

むしろ、私たち行政書士は「街の法律家」として、お客様の最初の相談窓口になることが多いんです。

お客様が抱えている問題が、どの士業の専門分野なのか、最初は分からないことがほとんどです。

そんなとき、まず行政書士に相談していただければ、適切な専門家につなぐことができます。

私も、弁護士さん、司法書士さん、税理士さん、社会保険労務士さんなど、信頼できる専門家のネットワークを持っています。

お客様の問題を総合的に判断し、必要に応じて他の専門家と連携してサポートする。

これが、現代の行政書士に求められている「ワンストップサービス」の形だと感じています。

コンサルティング領域における独占禁止法違反のリスクと傾向

最近、行政書士の業務範囲をめぐって、もう一つ注意すべき点が出てきています。

それは「コンサルティング業務」との線引きです。

書類作成だけでなく、経営アドバイスや事業戦略の立案など、コンサルティング的な要素を含む業務も増えてきています。

これ自体は問題ありませんが、注意が必要なのは、他士業の独占業務に踏み込まないようにすることです。

例えば、税務に関する具体的なアドバイスは税理士さんの領域ですし、訴訟戦略の相談は弁護士さんの領域です。

コンサルティングという名目で、実質的に他士業の独占業務を行ってしまうと、法律違反になる可能性があります。

私も、お客様との対話の中で「この話は税理士さんに相談した方がいいですよ」と明確にお伝えするようにしています。

専門家として、自分の専門領域を守りつつ、お客様に最適な解決策を提供する。

このバランス感覚が、これからの行政書士には求められていると考えられます。

まとめ

今回は、行政書士の3大独占業務について、詳しく解説してきました。

改めて整理すると、行政書士の独占業務は以下の3つです。

①官公署に提出する書類の作成
②権利義務に関する書類の作成
③事実証明に関する書類の作成

これらの業務は、行政書士法という法律によって、行政書士だけが有償で行えることが定められています。

無資格者が有償でこれらの業務を行うと、1年以下の懲役または100万円以下の罰金という重い罰則があります。

行政書士が扱える書類の種類は1万以上とも言われ、非常に幅広い分野で活躍できるのが魅力です。

一方で、弁護士、司法書士、税理士など、他士業の独占業務は行うことができません。

この線引きをしっかりと理解し、必要に応じて他の専門家と連携することが、現代の行政書士には求められています。

私自身、日々の業務を通じて「街の法律家」として、お客様の様々な悩みに寄り添い、最適な解決策を提供できるよう努めています。

もしあなたが何か手続きで困っていたり、どの専門家に相談すればいいか分からないときは、まず行政書士に相談してみてください。

きっと、あなたの力になれるはずです。