こんにちは、行政書士として日々奮闘している貞夫です。
行政書士として開業したい、でも実際のところどんな仕事をするの?
本当に食べていけるの?
そんな不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
私もかつて同じ悩みを抱えていました。
行政書士といえば「許認可申請」が花形業務だとよく言われます。
建設業許可や飲食店の営業許可など、耳にしたことがある方も多いはずです。
でも、正直なところ「本当に儲かるの?」という疑問が頭をよぎりますよね。
今回は、行政書士の主な業務内容から、特に注目される許認可業務の実態、そして気になる収益性まで、実務的な視点からお伝えしていきます。
開業を考えている方や、すでに開業して業務拡大を検討している方の参考になれば幸いです。
Contents
行政書士が開業後に携わる主な業務範囲
開業後の行政書士は、一体どんな仕事をしているのでしょうか。
実は、その業務範囲は驚くほど広いのです。
官公署へ提出する書類作成の代行
行政書士の中核を成すのが、官公署へ提出する書類の作成です。
これは行政書士法で定められた独占業務の一つとなっています。
具体的には、国や都道府県、市町村などの行政機関に提出する許認可申請書類や届出書の作成が該当します。
例えば、飲食店を開業したい人が保健所に提出する営業許可申請書、建設会社が都道府県に提出する建設業許可申請書などですね。
私が最初にこの仕事に触れたとき、「こんなに種類があるの?」と驚いたのを覚えています。
日本には1万点を超える許認可申請があると言われており、その多様性には本当に驚かされました。
権利義務や事実証明に関する書面の作成
許認可申請以外にも、行政書士には重要な業務があります。
それが権利義務に関する書類と事実証明に関する書類の作成です。
権利義務に関する書類とは、簡単に言えば契約書や遺産分割協議書など、権利の発生や変更を証明する書類のことです。
ビジネスの世界でも日常生活でも、トラブルを避けるために重要な役割を果たします。
一方、事実証明に関する書類は、会社の定款や議事録、各種証明書など、客観的な事実を証明する文書を指します。
これらの書類作成も、他の法律で制限されていない限り、行政書士が担当できるのです。
コンサルティングや相談を通じた企業支援の役割
近年、行政書士の役割は単なる書類作成にとどまりません。
企業の経営をサポートするコンサルタントとしての側面も強くなっています。
例えば、新規事業を始めたい企業に対して、どんな許認可が必要なのかをアドバイスしたり、事業計画の策定をサポートしたりする仕事も増えています。
私自身、クライアントから「どうやって事業を進めればいいか分からない」という相談を受けることが多く、そんなとき単に書類を作るだけでなく、ビジネス全体を見渡してアドバイスすることの重要性を実感しています。
特に中小企業や個人事業主にとって、行政手続きは複雑で分かりにくいもの。
そこに寄り添い、道案内をしてあげることが、現代の行政書士に求められる役割だと考えられます。
花形業務とされる「許認可」の具体的な種類と内容
それでは、花形業務と呼ばれる許認可について、もう少し詳しく見ていきましょう。
建設業や産業廃棄物収集運搬などの「許可」
許認可の中でも特に需要が高いのが建設業許可です。
建設業を営む場合、一定規模以上の工事を請け負うには必ず建設業許可が必要になります。
具体的には、建築一式工事で1,500万円未満、その他の工事で500万円未満という「軽微な建設工事」のみを行う場合を除いて、建設業許可を取得しなければなりません。
つまり、本格的に建設業を営むなら、ほぼ必須の許可と言えるでしょう。
建設業許可には29種類もの業種があり、土木工事業、建築工事業、大工工事業など、それぞれに専門性が求められます。
また、営業所が複数の都道府県にまたがる場合は国土交通大臣許可、一つの都道府県内のみなら知事許可という区分もあります。
私が印象的だったのは、この許可を取るための要件の厳しさです。
経営業務の管理責任者がいること、専任の技術者がいること、自己資本が500万円以上あることなど、クリアすべきハードルがいくつもあります。
だからこそ、専門家である行政書士のサポートが必要とされるのです。
産業廃棄物収集運搬業の許可も、需要の高い許認可の一つです。
環境への配慮が求められる現代において、適切な廃棄物処理は企業の社会的責任そのもの。
この分野でも行政書士の専門知識が活かされています。
飲食店や古物商営業における「認可・届出」
一方、「許可」とは少し性質が異なる「認可」や「届出」という手続きもあります。
飲食店を開業する際には、保健所に飲食店営業許可を申請する必要があります。
これは食品衛生法に基づく手続きで、食品衛生責任者を置くことや、保健所の施設検査をクリアすることが求められます。
飲食店の許可申請で気をつけなければならないのは、内装工事に着手する前に保健所に相談に行くべきだという点です。
工事が終わってから「この設備では許可が下りません」となってしまったら大変ですよね。
こういった段取りのアドバイスも、行政書士の重要な役割だと考えられます。
また、深夜0時を超えてお酒を提供する場合には、別途「深夜における酒類提供飲食店営業」の届出が必要になります。
テイクアウトを提供する場合も、追加の手続きが発生することがあります。
古物商の許可も、比較的身近な許認可です。
中古品の売買を営業として行う場合に必要で、リサイクルショップやネットオークションを事業として行う際には欠かせません。
報酬の相場は約5万円程度と言われています。
外国人の在留資格(ビザ)申請サポート
グローバル化が進む現代において、外国人の在留資格申請は非常に重要な業務分野になっています。
外国人が日本で働いたり生活したりするためには、その目的に応じた在留資格(一般的に「ビザ」と呼ばれます)を取得する必要があります。
就労ビザ、留学ビザ、配偶者ビザなど、その種類は多岐にわたります。
国際法務分野における入管取次実務の重要性
特に注目すべきは、「申請取次」という制度です。
行政書士の中でも、一定の研修を受けて届出を行った「申請取次行政書士」だけが、本人に代わって入国管理局に出頭し、申請手続きを行うことができます。
この分野は専門性が高く、入管法の知識だけでなく、外国人とのコミュニケーション能力や、各国の文化的背景への理解も求められます。
一方で、人手不足に悩む企業からの需要は高く、今後さらに成長が期待される分野だと言えるでしょう。
私の知り合いの行政書士も、国際業務に特化することで安定した収益を上げています。
外国人労働者の受け入れが拡大する中、この分野への期待は高まる一方です。
この仕事がメインビジネスとして選ばれる理由
では、なぜ多くの行政書士が許認可業務をメインビジネスとして選ぶのでしょうか。その理由を探ってみましょう。
独占的な立場による法的優位性
最大の理由は、許認可申請業務が行政書士の独占業務だということです。
行政書士法によって、他の者が報酬を得て行うことは禁じられています。
この法的な優位性は、ビジネスを展開する上で非常に大きな強みになります。
他の士業との競合が少ないため、専門性を高めれば高めるほど、クライアントからの信頼を獲得できるのです。
ただし、独占業務だからといって安泰というわけではありません。
同業者との競争は存在しますし、何より「この行政書士に頼みたい」と思ってもらえるだけの専門性とサービスの質が求められます。
継続的な更新手続きに伴う安定した需要
許認可の魅力的な点は、一度取得したら終わりではないということです。
多くの許認可には有効期限があり、定期的な更新が必要になります。
例えば、建設業許可は5年ごとに更新手続きが必要です。
また、更新とは別に、毎年の事業報告書の提出が義務付けられているケースもあります。
つまり、一度クライアントとの関係を築けば、継続的な仕事につながる可能性が高いのです。
新規の許可申請で信頼関係を築き、その後の更新や変更手続きも任せてもらえれば、安定した収益源となります。
私の周りでも、「5年前に新規許可をサポートしたお客様から、今年更新の依頼が来た」という話をよく耳にします。
こうした長期的な関係性を築けることが、許認可業務の大きな魅力だと感じています。
企業の経営基盤を支える社会的責任の大きさ
許認可業務のもう一つの魅力は、その社会的意義の大きさです。
許認可がなければ、企業は営業することができません。
万が一、許認可なしで営業してしまえば、営業停止処分や刑事罰を受ける可能性もあります。
つまり、私たち行政書士の仕事は、企業の経営基盤そのものを支えているのです。
新しく事業を始めようとする人の夢を、行政手続きという面からサポートする。
無事に許可が下りたとき、クライアントから
「ありがとうございました!おかげで開業できます」
と言われる瞬間は、何物にも代えがたいやりがいを感じます。
単に書類を作成するだけでなく、誰かの人生や企業の未来に関わる仕事。
この責任の重さとやりがいが、多くの行政書士を許認可業務へと向かわせる理由の一つだと考えられます。
実際には本当に儲かるのか?収益性の実態
さて、ここからが本題です。許認可業務は実際のところ、収益面ではどうなのでしょうか。
報酬単価の相場と売上構成の仕組み
日本行政書士会連合会が令和2年に行った調査によると、許認可業務の報酬相場は以下のようになっています。
- 建設業許可申請(法人・新規・知事許可): 約137,618円
- 建設業許可申請(個人・新規・知事許可): 約120,458円
- 宅地建物取引業免許申請(新規・知事許可): 約112,535円
- 一般貨物自動車運送事業経営許可申請: 約449,518円
- NPO法人設立認証申請: 約168,020円
- 飲食店営業許可申請: 約47,251円
- 古物商許可申請: 約53,585円
このデータを見ると、案件によって報酬額にかなりのバラつきがあることが分かります。
運送業のような専門性が高く複雑な案件では40万円を超える報酬が得られる一方、飲食店の許可申請のように比較的シンプルな案件では5万円前後となっています。
重要なのは、これらの報酬から経費を差し引いた利益がどれくらいになるか、そして月にどれだけの案件をこなせるかという点です。
専門特化による作業効率の向上と高利益化
許認可業務で収益を上げるカギは、専門分野を絞り込むことだと言われています。
例えば、建設業許可に特化した行政書士の場合、同じような案件を数多くこなすことで作業効率が劇的に向上します。
必要書類のチェックリスト、よくある質問への回答、申請書のテンプレートなど、システム化できる部分が増えていくのです。
また、専門特化することで「○○といえばあの先生」という評判が立ち、紹介による新規顧客の獲得にもつながります。
専門性が高まれば、報酬単価を上げることも可能になるでしょう。
私が知っている成功している行政書士の先生方は、ほとんどが何かしらの専門分野を持っています。
「何でもやります」よりも「この分野なら任せてください」という姿勢が、結果的に収益の向上につながるのだと感じています。
市場の競争激化や価格下落のリスク要因
一方で、楽観視できない側面もあります。
近年、行政書士の数は増加傾向にあり、地域によっては競争が激化しています。
特に、比較的取り組みやすい飲食店の営業許可申請などは、価格競争に陥りやすい傾向があります。
また、行政手続きのデジタル化が進む中、将来的には一部の手続きが簡素化され、専門家の介在が不要になる可能性も指摘されています。
実際、オンライン申請システムの導入により、自分で申請する事業者も少しずつ増えているという声も聞かれます。
さらに、経済状況の影響も受けやすい分野です。
景気が悪化すれば新規事業を始める人が減り、許認可申請の需要も減少する可能性があります。
成功事例から推察される年収の傾向と可能性(※独自の分析に基づく)
実際のところ、許認可業務で生計を立てている行政書士の年収はどれくらいなのでしょうか。
これは個人差が非常に大きいため一概には言えませんが、専門分野を確立し、安定した顧客基盤を持つ行政書士の場合、年収500万円から1,000万円程度を実現している方が多いと考えられます。
例えば、月に建設業許可の新規申請を3件(報酬約13万円×3=39万円)、更新申請を5件(報酬約7万円×5=35万円)こなせば、月の売上は74万円になります。
年間では約888万円です。ここから経費を差し引いても、十分な収益が期待できる計算になります。
また、一部のトップクラスの行政書士は、複数のスタッフを雇用して組織化することで、年収数千万円を実現しているケースもあるようです。
ただし、これは特定の分野で圧倒的な専門性と知名度を確立した場合の話であり、誰もが到達できる水準ではありません。
逆に、開業したばかりで顧客基盤が弱い段階では、年収300万円以下という厳しい現実に直面する行政書士も少なくないと聞きます。
開業初期の苦労は覚悟しておく必要があるでしょう。
専門分野の確立と差別化による成功戦略
それでは、許認可業務で成功するためには、どのような戦略が必要なのでしょうか。
自身の強みを活かせる領域の特定
まず重要なのは、自分の強みや興味に合った専門分野を見つけることです。
前職が建設業界だった方なら建設業許可、飲食業界にいた方なら飲食店関連の許認可、語学が得意な方なら国際業務というように、自分の経験やスキルを活かせる分野を選ぶことが成功への近道だと考えられます。
また、地域性も重要な要素です。例えば、工業地帯が近くにあれば産業廃棄物関連の需要が高いでしょうし、観光地であれば旅館業や飲食店の許可申請が多いはずです。
自分の事務所がある地域の特性を理解し、そこにニーズのある分野を選ぶのも賢明な戦略です。
私自身、開業当初は「何でも引き受けよう」と考えていましたが、次第に「これは得意だな」「これは楽しいな」という分野が見えてきました。
そこに注力することで、仕事の質も満足度も向上したと感じています。
デジタル化への対応とスピード感のある顧客対応
現代のビジネスにおいて、デジタル対応力は欠かせません。
オンライン申請システムへの精通はもちろん、クライアントとのコミュニケーションにもITツールを活用することが求められています。
メールやチャットでの迅速な対応、オンライン面談の実施、電子契約の導入など、デジタル化に対応できる事務所が選ばれる時代になっています。
また、スピード感も重要です。
「急いで許可を取りたい」というクライアントは多く、問い合わせへの返答が早い、書類作成が迅速、申請手続きがスムーズといった対応の速さが、他の事務所との差別化につながります。
さらに、自社のウェブサイトやSNSを活用した情報発信も効果的です。専門知識を惜しみなく公開することで、「この先生は詳しそうだ」という信頼感を獲得でき、問い合わせにつながるケースも多いと言われています。
他士業との連携による付加価値の提供
最後に、他の専門家との連携も重要な戦略です。
例えば、建設業許可の申請には
- 税理士(財務諸表の作成)
- 社会保険労務士(労働保険の手続き)
- 司法書士(会社の登記)
といった他士業の専門知識が関わることがあります。
こうした専門家とネットワークを構築し、ワンストップでサービスを提供できれば、クライアントにとって大きな価値となります。
また、弁護士と連携することで、許認可取得後のトラブル対応まで見据えたサポートを提供できますし、中小企業診断士と協力すれば経営コンサルティングの要素も加えられます。
「行政書士の仕事だけ」という枠に閉じこもるのではなく、クライアントのビジネス全体を支えるパートナーとなる。そんな視点が、これからの時代には必要なのではないでしょうか。
まとめ
行政書士の花形業務である許認可申請について、その実態を見てきました。
許認可業務は、独占業務という法的優位性、継続的な更新による安定収入、社会的意義の大きさという魅力を持っています。
報酬単価も案件によっては十分な水準にあり、専門分野を確立すれば安定した収益を得られる可能性があります。
しかし同時に、競争の激化や価格下落のリスク、デジタル化による業務内容の変化といった課題も存在します。
「許認可をやれば儲かる」という単純な話ではなく、専門性の確立、効率化、差別化といった戦略が不可欠です。
結論として、許認可業務は「本当に儲かるのか?」という問いに対しては、「取り組み方次第」というのが正直な答えだと感じています。
自分の強みを活かせる分野を見つけ、専門性を高め、時代の変化に対応しながら価値を提供し続ける。
そんな努力を続けられる人にとっては、許認可業務は十分に魅力的な仕事だと言えるでしょう。
これから行政書士として開業する方、すでに開業していて業務拡大を考えている方にとって、この記事が一つの参考になれば幸いです。
許認可の世界は奥深く、やりがいのある仕事です。ぜひ自分なりの成功の形を見つけてください。