こんにちは、行政書士の貞夫です。
今日は、これから独立を考えている方や、開業したばかりで不安を感じている方に向けて、リアルな話をさせていただきます。
「行政書士は廃業率が高い」という話、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
正直に言うと、私自身も開業当初は不安でいっぱいでした。
夜中に目が覚めて、「本当にやっていけるのだろうか」と天井を見つめたことも一度や二度ではありません。
でも、安心してください。
現状を正しく理解し、適切な戦略を立てれば、行政書士として成功する道は確実に存在します。
この記事では、廃業率の実態、なぜ廃業してしまうのか、そして生き残るためには何が必要なのかを、私の経験も交えながら詳しく解説していきます。
行政書士の独立開業を取り巻く現状は、決して楽観視できるものではありません。
資格を取得すれば自動的に仕事が舞い込んでくる、というような甘い世界ではないのです。
しかし同時に、正しい戦略と努力によって、十分に成功できる環境も整っていると私は考えています。
Contents
行政書士の廃業率に関する実態と推測されるデータ
公式統計が存在しない背景
まず、皆さんが一番気になるであろう廃業率について、正確な数字をお伝えします。
実は、行政書士の「廃業率」として公式に統計化されたデータは存在しないんです。
日本行政書士会連合会が公開しているのは、「登録者数」と「登録抹消者数」のみです。
ここで重要なのが、「廃業」と「登録抹消」は厳密には異なるという点です。
登録抹消には、経営がうまくいかずに廃業した人だけでなく、死亡された方、欠格事由に該当した方、2年以上業務を行わなかった方なども含まれています。
つまり、純粋に「経営難で廃業した人」だけの数字ではないんですね。
登録者数と抹消者数の推移から考察する現状
総務省が公開している「行政書士の登録状況」を見てみましょう。
令和5年度のデータによると、年度当初の登録者数は51,041名、年度中に新規登録した人が2,946名、そして登録を抹消した人が2,368名でした。
これを計算すると、廃業率は約4.4%となります。
実際、中小企業庁が発表している令和2年度の一般企業の廃業率が3.3%であることを考えると、行政書士の廃業率は特別高いわけではないことがわかります。
さらに、この2,368名の内訳を見ると、廃業届を提出した人は2,064名です。
死亡や欠格事由、行政書士会による登録抹消を除くと、実質的な廃業率は約3.8%程度と考えられます。
業界の構造として、一定数が入れ替わっていくのは自然なことです。
むしろ、10年後も約7割の方が事業を継続しているというデータは、私は希望が持てる数字だと感じています。
「3年で9割」という説の信憑性と考察
ネット上では「行政書士は3年で9割が廃業する」という噂を目にすることがあります。
私も開業前、この言葉を見て不安になった一人です。
しかし、この数字には明確な統計的根拠がありません。
おそらく、「登録はしたものの実際にはほとんど活動せず、数年で更新しなかった人」や「副業として始めたけれど本業が忙しくなって辞めた人」なども含めた、過剰に解釈された数字だと考えられます。
実際の体感値としても、本気で準備して開業した人の9割が廃業するなんてことは、私の周りでは見られません。
他の業種と比較しても、行政書士の生存環境は決して悪くないと思います。
むしろ、きちんと経営努力を続ければ、20年、30年と稼ぎ続けられる仕事なんです。
独立後に直面する廃業の理由
集客・営業スキルの不足
私が実際に開業して痛感したのは、「待っていれば仕事が来る」という考え方が完全に誤解だということです。
行政書士試験に合格したからといって、自動的に依頼が舞い込んでくるわけではありません。
開業初期は知名度もゼロ、信用もゼロです。
私自身も最初の3ヶ月は、依頼がほぼゼロという時期がありました。
その時に気づいたのは、「資格を活かすのも、腐らせるのも、すべて自分の行動次第」だということです。
Webマーケティングや対面営業に苦手意識を持つ人は少なくありません。
私も元々、人前で話すのが得意ではありませんでした。
しかし、ホームページを作る、SNSで情報発信する、セミナーに参加して名刺交換する、こういった地道な営業活動が、確実に仕事につながっていくんです。
集客・営業スキルは、実務スキルと同じくらい、いや、それ以上に重要だと私は考えています。
専門特化の遅れによる価格競争への埋没
開業当初、私は「何でもやります」というスタンスでした。
間口を広げれば、その分依頼も来るだろうと思っていたんです。
しかし、これが大きな間違いでした。
「何でもやります」ということは、「特に得意なものがない」と受け取られてしまうんですね。
結果として、価格競争に巻き込まれ、報酬単価が上がらない構造に陥ってしまいました。
専門特化が遅れると、他の行政書士との差別化ができず、「安いところにお願いしよう」という判断基準で選ばれることになります。
私が方向転換したのは、開業から半年後でした。
相続・遺言分野に特化すると決め、その分野の研修に参加し、書籍を読み込み、実際の案件をこなしていきました。
すると、「相続のことなら貞夫先生」という評判が少しずつ広がり、紹介案件も増えていったんです。
専門特化は、生き残るための必須戦略だと私は考えています。
資金繰りの見通しの甘さ
廃業する理由として、実は一番多いのが資金不足だと言われています。
行政書士は比較的少ない初期投資で開業できるため、その分、資金計画が甘くなりがちなんです。
私も開業時、「パソコンと電話があれば何とかなるだろう」と軽く考えていました。
しかし、実際には毎月の固定費がかかります。
行政書士会の会費、複合機のリース代、電話代、事務所を借りていれば家賃もかかります。
そして何より、受任してから報酬を受け取るまでには、どうしてもタイムラグがあります。
案件によっては、受任から入金まで数ヶ月かかることも珍しくありません。
運転資金の確保とコスト管理の重要性を、私は身をもって学びました。
開業前には、最低でも6ヶ月から1年分の生活費と固定費を確保しておくことを強くお勧めします。
お金の不安があると、精神的にも余裕がなくなり、やるべきことに集中できなくなってしまいます。
生き残る事務所が実践している共通点
顧客獲得チャネルの多角化
私の周りで成功している行政書士の先生方を見ていると、必ず複数の集客チャネルを持っています。
紹介だけに頼らず、Webサイトからの問い合わせ、SNSでの情報発信、セミナー開催、異業種交流会への参加など、様々な方法を組み合わせているんです。
私自身も、現在は以下のようなチャネルを活用しています。
まず、ホームページは事務所の顔です。
相続に特化した内容で、よくある質問や実績、お客様の声などを掲載しています。
次に、TwitterやFacebookなどのSNSで、相続に関する豆知識や法改正情報を定期的に発信しています。
これが意外と反応が良く、問い合わせにつながることも多いんです。
また、月に1回程度、地域の公民館で「終活セミナー」を開催しています。
これは集客というよりも、地域の方々との接点を作る場として考えています。
セミナー参加者の中から、実際に相談につながるケースも少なくありません。
そして何より大切なのが、既存のお客様からの紹介です。
丁寧な仕事を心がけ、アフターフォローもしっかり行うことで、「知人にも紹介したい」と思っていただけるよう努力しています。
他士業との戦略的提携
行政書士単独でできることには、どうしても限界があります。
私が特に意識しているのが、他の士業との連携です。
具体的には、司法書士、税理士、弁護士の先生方との相互紹介ネットワークを構築しています。
例えば、相続案件では、行政書士は遺産分割協議書の作成までしかできません。
しかし、司法書士の先生と連携していれば、相続登記までワンストップで対応できます。
また、相続税が発生する案件では、税理士の先生を紹介できることで、お客様に安心していただけます。
反対に、司法書士の先生からは、建設業許可申請や古物商許可申請など、行政書士の独占業務を紹介していただくこともあります。
私の場合、英語が得意という強みがあるため、外国人のビザ申請案件も多く扱っています。
この分野は他の行政書士との差別化にもなりますし、司法書士や税理士の先生からも「外国人のお客様がいたら貞夫先生に」と覚えていただけています。
戦略的提携は、単なる紹介関係以上の価値があります。
お互いの専門性を活かし合うことで、お客様により良いサービスを提供でき、結果として自分の事務所の評判も上がっていくんです。
今後注目すべき有望業務のトレンド
国際業務(入管・特定技能)の深化
現在、私が最も力を入れているのが国際業務です。
日本の労働力不足を背景に、外国人材の受け入れは今後も拡大していくと考えられます。
特に、特定技能制度の創設により、より多くの外国人労働者が日本で働けるようになりました。
在留資格の申請、変更、更新といった手続きは複雑で、専門的な知識が必要です。
企業側も、外国人雇用に関する法令遵守や手続きの負担を軽減したいというニーズがあります。
この分野は今後も需要が継続する、非常に有望な業務だと私は見ています。
実際、私の事務所でも、入管業務の依頼は年々増加しています。
超高齢社会を支える民事信託・承継支援
日本は世界でも類を見ない超高齢社会に突入しています。
これに伴い、遺言・相続の需要も増加していますが、その先にある「家族信託」や「見守り業務」も注目されています。
家族信託は、認知症対策として非常に有効な手段です。
親が元気なうちに、財産管理を子どもに任せる仕組みを作っておくことで、将来の不安を軽減できます。
また、高齢者の見守りサービスや、終活全般のサポート業務も、今後さらに需要が高まると考えられます。
私自身も、単なる遺言書作成だけでなく、「老後の安心をトータルでサポートする」という視点で、お客様と向き合っています。
この分野は、単発の業務ではなく、長期的な信頼関係を築くことができる点も魅力です。
デジタル化・新産業に伴う許認可
テクノロジーの進化に伴い、新しい産業やビジネスモデルが次々と生まれています。
それに伴い、新しい許認可業務も発生しているんです。
例えば、ドローンの飛行許可申請は、ここ数年で急激に需要が増えました。
物流や測量、空撮など、ドローンの活用範囲は広がっています。
民泊も、観光立国を目指す日本において、今後も一定の需要があると考えられます。
IT関連では、個人情報保護法への対応や、電子契約の導入支援など、新しい法的ニーズが次々と発生しています。
これらの新しい分野は、先行者利益を得やすいというメリットがあります。
まだ対応できる行政書士が少ないため、早めに参入して専門性を確立すれば、その分野のパイオニアとして認知されやすいんです。
私も常にアンテナを張り、新しい情報をキャッチアップするよう心がけています。
まとめ
ここまで、行政書士の廃業率の実態と、廃業してしまう理由、そして生き残るための戦略について、私の経験も交えながらお話ししてきました。
改めてお伝えしたいのは、「行政書士は決して廃業率が高い資格ではない」ということです。
公式データを見れば、年間の廃業率は約4%程度で、10年後も約7割の方が事業を継続しています。
ネット上の「3年で9割が廃業する」という噂には、明確な根拠がありません。
ただし、準備不足で開業してしまったり、集客・営業スキルが不足していたり、専門特化が遅れてしまうと、確かに厳しい状況に陥る可能性はあります。
逆に言えば、入念な準備をして、集客の勉強をして、専門分野を確立すれば、十分に成功できるということです。
私自身、開業当初は不安でいっぱいでしたが、試行錯誤を重ねながら今があります。
他士業との連携を大切にし、常に新しい情報をキャッチアップし、お客様に誠実に向き合うこと。
これらを続けていけば、行政書士として長く活躍できると私は信じています。