こんにちは、行政書士の貞夫です。

最近、知り合いから「行政書士って実際どうなの?」という質問をよくいただきます。

私自身も受験生時代は不安でいっぱいでした。

「本当に合格できるのか」「難しすぎて挫折しないか」と何度も自問自答したものです。

でも、今こうして行政書士として仕事をしていると、あの時の苦労は全部意味があったと心から思えます。

この記事では、私の実体験も交えながら、行政書士試験の全体像をお伝えしていきます。

これから受験を考えている方の参考になれば嬉しいです。

Contents

行政書士試験の基本情報:日程から受験資格まで

実施時期と願書提出のタイミング

行政書士試験は年に1回、毎年11月の第2日曜日に実施されます。

私が受験した年も11月の寒い日でした。

試験当日の朝、緊張のあまり駅のトイレに何度も駆け込んだのを今でも覚えています。

願書の提出期間は7月下旬から8月下旬までが一般的です。

この時期を逃すと1年待つことになるので、絶対に見逃せません。

私も最初の年は提出し忘れて、1年無駄にした苦い経験があります。

一般財団法人行政書士試験研究センターのホームページで最新情報を必ずチェックしましょう。

年齢・学歴・国籍を問わない門戸の広さ

行政書士試験の素晴らしい点は、受験資格に一切の制限がないことです。

年齢も学歴も職歴も国籍も問われません。

高校生でも、60代の方でも、外国籍の方でも受験できます。

私の受験仲間には、中卒で働きながら勉強していた20代の若者もいました。

彼は見事一発合格を果たして、今では立派に開業しています。

「誰にでもチャンスがある」というのは本当に大きな魅力だと思います。

法律の知識がまったくなくても、やる気さえあれば挑戦できる資格なんですよね。

会場選びと当日のタイムスケジュール

試験会場は全国の主要都市に設けられます。

願書提出時に希望会場を選択できますが、人気の会場は早めに埋まることもあります。

試験当日のスケジュールは、午後1時から午後4時までの3時間です。

私は午前中に会場の近くのカフェで最終確認をしていました。

でも、あまり詰め込みすぎると頭が疲れてしまうので、軽めの復習にとどめるのがおすすめです。

試験開始の30分前には会場に到着するようにしましょう。

トイレの場所や座席の確認など、落ち着いて準備できる時間が必要です。

合格基準と科目別配点から見る試験構造

300点満点中180点を目指す絶対評価の仕組み

行政書士試験は300点満点で、180点以上取得すれば合格です。

つまり、正答率60%以上が必要ということになります。

これは「絶対評価」の試験なので、他の受験者の成績に左右されません。

司法書士試験のような相対評価ではないため、目標が明確で対策しやすいんです。

私も「180点取ればいい」という明確な目標があったからこそ、戦略的に勉強できました。

ただし、単純に合計180点あればいいというわけではありません。

科目ごとの基準点もクリアする必要があるので、後ほど詳しく説明します。

行政法・民法が鍵を握る法令等科目の内訳

法令等科目は244点満点で、この中で122点以上取る必要があります。

科目の内訳は以下の通りです。

基礎法学が8点、憲法が28点、行政法が112点、民法が76点、商法が20点となっています。

ここで注目してほしいのが、行政法と民法の配点の高さです。

この2科目だけで188点、全体の62.7%を占めているんですね。

私も最初は全科目を均等に勉強しようとしていました。

でも、予備校の先生から「行政法と民法を制する者が行政書士試験を制する」と言われて、学習の方針を大きく変えました。

実際、この2科目に集中したことが合格の決め手になったと感じています。

行政法は過去問演習が非常に有効です。

出題パターンがある程度固まっているので、繰り返し解くことで確実に点数が伸びます。

民法は条文と判例の理解が重要です。

事例問題も多く出題されるので、具体的なイメージを持って学習することが大切ですね。

注意すべき基礎知識科目の足切り(基準点)制度

基礎知識科目は56点満点で、24点以上(正答率約43%)が必要です。

これが「足切り」と呼ばれる制度で、非常に厄介なんです。

仮に法令等科目で満点の244点を取っても、基礎知識科目が23点以下だと不合格になります。

私の友人がまさにこのパターンで不合格になり、かなり落ち込んでいました。

基礎知識科目には、一般知識、行政書士法等、情報通信・個人情報保護、文章理解が含まれます。

令和6年度から行政書士法が追加されたため、この分野の対策も欠かせません。

一般知識は出題範囲が広く、対策が難しい科目です。

政治、経済、社会など時事的な問題も出るため、日頃からニュースをチェックする習慣が大切になります。

文章理解は3問程度出題されますが、ここを確実に取ることが足切り回避の鍵です。

私は国語が得意だったので、この3問は絶対に落とさないという意識で臨みました。

記述式問題の重要性と得点戦略

記述式問題は行政法1問20点、民法2問40点の合計60点分です。

これが本当に難しくて、受験生の多くが苦戦します。

40文字程度で法的な論点を正確に記述する必要があるため、単なる知識だけでは太刀打ちできません。

私も最初は全く書けませんでした。

答案を見ても「何を書けばいいのか」すら分からない状態だったんです。

でも、「事案(J)とテーマ(T)」を意識する訓練を繰り返すことで、徐々に書けるようになりました。

記述式は部分点がもらえるので、完璧に書けなくても諦めないことが重要です。

キーワードをしっかり入れれば、10点中6〜7点はもらえる可能性があります。

私の戦略は、記述式で最低40点を確保することでした。

これができれば、他の部分でのプレッシャーがかなり軽減されます。

行政書士試験の難易度は?合格率と客観的指標

直近の合格率推移(令和6年度・5年度実績)

令和6年度の合格率は12.90%、令和5年度は13.98%でした。

ここ数年は10〜15%程度で推移しており、比較的安定していると言えます。

私が受験した年の合格率は11%台でした。

「10人に1人しか受からない」と聞いて、正直かなりプレッシャーを感じましたね。

でも、合格率の数字だけで難易度を判断するのは危険です。

受験者の層を考慮する必要があるからです。

行政書士試験には受験資格がないため、法律の予備知識がない方も多数受験されます。

そのため、しっかり対策をした受験者の中での合格率はもっと高いと考えられます。

偏差値で例えると60〜64程度の難関レベルとされる理由

行政書士試験の難易度を偏差値で表すと60〜64程度と言われています。

これは大学受験で言えば、MARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)クラスに相当します。

私の実感としても、この数字はかなり的を射ていると思います。

決して簡単ではないけれど、努力すれば手が届くレベルなんです。

偏差値60というと、1000人中150番以内に入る必要があります。

これは相当な勉強量と質が求められることを意味しています。

ただし、行政書士試験は絶対評価なので、偏差値よりも「180点取る」という明確な目標に集中できます。

この点が大学受験とは異なる部分ですね。

他の法律系国家資格(司法書士・社労士・宅建)との比較

法律系資格の中での難易度を比較してみましょう。

司法書士試験は合格率4〜5%、必要勉強時間3000時間と言われており、行政書士よりはるかに難関です。

社会保険労務士は合格率5〜6%で、行政書士と同程度の勉強時間が必要とされています。

社労士は科目ごとに足切りがあるため、苦手科目があると致命的になります。

宅地建物取引士は合格率15〜17%、必要勉強時間200〜300時間程度です。

行政書士は宅建よりは難しく、司法書士・社労士よりは取り組みやすいという位置づけですね。

私の感覚では、行政書士は「法律系資格の入門編」として最適だと思います。

法律の基礎知識をしっかり身につけられるので、その後のダブルライセンスにも繋がりやすいんです。

法律初学者でも「挑戦しやすい」と言われる背景

行政書士が初学者にも挑戦しやすいと言われる理由はいくつかあります。

まず、受験資格がないため誰でもチャレンジできる点です。

次に、合格基準が明確で、目標設定がしやすい点も大きいですね。

さらに、試験範囲が他の法律系資格より絞られていることも挙げられます。

司法書士試験は11科目あるのに対し、行政書士は8科目です。

私も法律の知識は全くのゼロからスタートしました。

最初は六法全書を開いても何が書いてあるのか全く理解できませんでした。

でも、基礎から丁寧に積み上げていけば、必ず理解できるようになります。

「初学者でも合格できる」というのは、決して甘い言葉ではなく、本当の話なんです。

合格に必要な勉強時間とライフスタイル別学習計画

一般的に500〜1,000時間が目安とされる根拠

行政書士試験合格に必要な勉強時間は500〜1,000時間と言われています。

この幅があるのは、受験者の予備知識や学習効率によって変わるためです。

法律の予備知識がある方なら500時間程度で合格する場合もあります。

一方、完全な初学者の場合は800〜1,000時間程度が現実的な目安でしょう。

私の場合は約800時間かかりました。

毎日コツコツ積み重ねて、約10ヶ月で合格ラインに到達した計算です。

この時間数を見て「そんなに勉強できない」と思った方もいるかもしれません。

でも、1日2〜3時間を確保できれば、1年で十分に達成可能な数字なんです。

社会人が働きながら1年で突破するためのスケジュール

仕事をしながらの受験は本当に大変です。

私も会社員として働きながらの受験だったので、その苦労は身に染みて分かります。

平日は朝1時間、夜1〜2時間の勉強時間を確保しました。

休日は5〜6時間集中して学習するようにしていました。

これで週に約20〜25時間、月に80〜100時間の勉強時間になります。

10ヶ月で800〜1,000時間を達成できる計算です。

重要なのは「毎日継続すること」です。

私は「1日10分でもいいから必ず勉強する」と決めていました。

通勤電車では音声講義を聞き、昼休みにはスマホで過去問を解きました。

こうしたスキマ時間の活用が、働きながらでも合格できた大きな要因だと思います。

学生や専念できる環境での短期集中プラン

もし1日5時間以上の勉強時間を確保できるなら、半年程度での合格も可能です。

学生の方や、退職して資格取得に専念できる方は、この短期集中プランがおすすめですね。

私の知り合いの大学生は、4月から勉強を始めて11月の試験で一発合格しました。

彼は1日平均6時間、休日は8時間勉強していたそうです。

短期集中のメリットは、知識の鮮度が保たれることです。

学んだことを忘れる前に試験を迎えられるので、効率が良いんですよね。

ただし、短期間で詰め込むとモチベーション維持が難しい側面もあります。

適度な休憩とリフレッシュを入れながら、無理のないペースで進めることが大切です。

自分に合った学習法の選び方

独学で挑むメリットと挫折を防ぐテキスト活用術

独学の最大のメリットはコストが抑えられることです。

テキストと問題集だけなら3万円程度で揃います。

私も最初は独学でスタートしました。

市販のテキストを購入して、毎日コツコツ読み進めていました。

でも、途中で「これで本当に合格できるのか」という不安に襲われました。

特に民法の物権や債権の部分は、独学では理解が難しかったです。

独学で成功するコツは、良質なテキストを選ぶことです。

私は「合格革命 行政書士」シリーズを使っていました。

図解が多く、初学者にも分かりやすい内容だったので、かなり助けられました。

また、過去問は最低5年分、できれば10年分は繰り返し解きましょう。

私は過去問を3周して、ようやく出題パターンが見えてきました。

通信講座や資格スクールを利用して効率を最大化する

私は独学に限界を感じて、途中から通信講座に切り替えました。

選んだのは大手予備校の通信講座で、費用は約15万円でした。

正直、高い買い物だと思いましたが、結果的には大正解でした。

講師の解説が本当に分かりやすく、独学で理解できなかった部分が一気に腑に落ちました。

特に記述式問題の対策は、通信講座なしでは無理だったと思います。

通信講座のメリットは、プロの視点で効率的に学習できることです。

「ここが重要」「ここは捨てても良い」というメリハリが明確になります。

質問制度もあったので、分からないところをすぐに解決できました。

費用はかかりますが、「時間を買う」という意味で十分価値があると感じています。

スキマ時間を活用したスマホ学習の有効性

現代の受験生は、スマホを使った学習が本当に便利になりました。

私も通勤電車の中でスマホアプリを使って過去問を解いていました。

問題演習アプリは、一問一答形式で手軽に学習できるのが魅力です。

待ち時間や移動時間など、ちょっとした空き時間を有効活用できます。

音声講義をダウンロードしておけば、電車の中でも学習できます。

私は家事をしながら音声を聞いていたこともありました。

こうしたスキマ時間の積み重ねが、年間で100時間以上になることもあります。

「まとまった時間が取れない」という方こそ、スマホ学習を活用してほしいです。

取得後のキャリア:行政書士資格の活かし方

独立開業による専門特化型の事務所経営

行政書士の魅力は、独立開業しやすいことです。

私も合格後、数年の実務経験を経て独立しました。

建設業許可や飲食店営業許可など、地域の中小企業をサポートしています。

専門分野を持つことで、他の事務所との差別化ができます。

私は外国人の在留資格申請に特化した事務所を運営しています。

この分野は需要が高く、報酬も比較的高めに設定できるんです。

開業には初期費用がかかりますが、自宅を事務所にすれば抑えられます。

私も最初は自宅の一室を事務所として使っていました。

独立開業は収入の天井がないのが魅力ですが、営業力も必要になります。

企業の法務部門や総務職でのキャリアアップ

独立志向がない方でも、行政書士資格は企業で活かせます。

法務部門や総務部門での採用に有利になることが多いです。

私の知り合いは、行政書士資格を取得後、大手企業の法務部に転職しました。

許認可業務や契約書作成など、専門知識が評価されたそうです。

企業内行政書士として働くことで、安定した収入を得ながら専門性を高められます。

また、社内での地位向上や昇給にもつながる可能性があります。

副業や在宅ワークとしての可能性

行政書士は副業にも最適な資格です。

土日だけの業務や、在宅でできる書類作成など、柔軟な働き方ができます。

私の同期は、平日は会社員、休日だけ行政書士として活動しています。

月5〜10万円程度の副収入を得ているそうです。

在宅ワークとしても需要が高まっています。

契約書のチェックや、相続関係の書類作成などはオンラインで完結できます。

子育て中の方や、地方在住の方にも適した働き方だと思います。

ダブルライセンスで差別化を図る戦略

行政書士と他の資格を組み合わせることで、さらに可能性が広がります。

私は現在、社会保険労務士の資格取得を目指して勉強中です。

行政書士と社労士のダブルライセンスがあれば、企業設立から人事労務まで一貫してサポートできます。

他にも、宅建士とのダブルライセンスは不動産関連業務で強みになります。

司法書士とのダブルライセンスなら、法律系業務のほぼ全てをカバーできるでしょう。

ダブルライセンスは時間と労力がかかりますが、差別化の大きな武器になります。

私も将来的には3つ目の資格取得を視野に入れています。

まとめ

ここまで、行政書士試験の基本情報から難易度、学習方法、資格の活かし方まで詳しくお話ししてきました。

行政書士試験は決して簡単ではありません。

合格率10%台という数字が、その難しさを物語っています。

でも、明確な合格基準と戦略的な学習によって、確実に合格を目指せる試験でもあります。

私自身、法律の知識ゼロからスタートして合格できました。

だからこそ、皆さんにも「絶対に合格できる」と自信を持って言えます。

重要なのは、行政法と民法を中心に学習すること、基礎知識科目の足切りに注意すること、記述式対策を早めに始めることです。

そして何より、毎日コツコツ継続することが合格への最短ルートです。

資格取得後の選択肢も豊富で、独立開業、企業勤務、副業など、自分のライフスタイルに合わせた働き方ができます。

私は行政書士資格を取得して、人生が大きく変わりました。

法律の専門家として社会に貢献できる喜びは、何物にも代えがたいものです。

これから受験を考えている皆さん、一緒に頑張りましょう。

この記事が、皆さんの合格への一歩になれば幸いです。