こんにちは、行政書士の貞夫です。

今回は、私が日々取り組んでいる「入管業務」と「技能実習制度」についてお話しさせていただきます。

正直に言うと、この分野は行政書士業務の中でも特に専門性が高く、難しい部分が多いです。

でも同時に、非常にやりがいがあり、将来性も高い分野だと感じています。

私自身、入管業務に携わるようになってから、多くの外国人の方々と出会い、様々な人生のドラマに触れてきました。

日本で働きたい、家族と一緒に暮らしたい、事業を始めたい。

それぞれの想いを胸に来日される外国人の方々をサポートするのが、私たち行政書士の役割です。

特に技能実習制度については、制度の複雑さや課題も多く、深い知識と経験が必要となります。

この記事では、入管業務の基礎から技能実習制度の実務、さらには他士業との棲み分けまで、実務家の視点から詳しく解説していきます。

これから入管業務に携わろうと考えている行政書士の先生方、あるいは外国人材の受け入れを検討している企業の担当者の方々にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。

行政書士が担う入管業務の役割と重要性

在留資格申請の専門家としての立ち位置

入管業務とは、簡単に言えば「外国人が日本で生活するための手続きを支援する業務」です。

具体的には、在留資格(いわゆるビザ)の取得や変更、更新といった手続きを行います。

私がこの業務に携わるようになって最初に驚いたのは、その申請書類の多さと複雑さでした。

一つの申請で提出する書類が数十枚に及ぶこともあります。

そして、ただ書類を集めて提出すればいいというものではありません。

入管は、その外国人が本当に日本に滞在する必要があるのかを厳しく審査します。

例えば、外国人エンジニアを雇用したい企業があったとします。

単に「技術・人文知識・国際業務」という在留資格の申請書を出せばいいわけではないのです。

その外国人がどのような学歴や職歴を持っているのか。

企業の事業内容と、その外国人が担当する業務の関連性は明確か。

給与は日本人と同等以上か。

こうした点を、膨大な書類と説明文書で証明していく必要があります。

私たち行政書士は、法的な観点から申請内容を整理し、説得力のある申請を行う専門家なのです。

実は、外国人が日本で働くこと自体、原則として制限されています。

なぜなら、外国人を雇用すれば、その分日本人の雇用機会が失われる可能性があるからです。

だからこそ、「この外国人が日本で働くことが、日本の利益になる」ということを明確に示す必要があるのです。

在留資格は外国人にとって、命の次に大事なものと言っても過言ではありません。

その取得や更新に失敗すれば、日本での生活が続けられなくなってしまいます。

私たち行政書士は、そうした外国人の人生を左右する重要な局面に立ち会う存在なのです。

申請取次行政書士(ピンクカード)の必要性

入管業務を本格的に扱うためには、「申請取次行政書士」になることが必須です。

通称「ピンクカード」と呼ばれる届出済証明書を取得する必要があります。

実は、通常の行政書士でも在留資格の申請書類を作成することは可能です。

しかし、その書類を入管に提出することはできません。

これは、在留資格の申請は原則として本人が出頭して行う必要があるからです。

日本語が不慣れな外国人や、まだ日本にいない外国人にとって、これは大きな負担となります。

仕事の都合で平日に入管へ行けないこともあるでしょう。

そこで、「申請取次制度」という仕組みがあります。

申請取次行政書士になれば、外国人本人に代わって書類を提出できるようになるのです。

本人出頭の原則が免除されるという、非常に大きなメリットがあります。

私も開業して間もない頃、この申請取次の研修を受けました。

研修は日本行政書士会連合会が主催しており、現在はVOD方式で自宅から受講できます。

全4講座、合計4時間程度の内容です。

研修の最後には効果測定があり、マークシート方式の正誤問題40題とレポート課題を提出します。

正直に言うと、研修の内容をしっかり理解していれば不合格になることはほとんどありません。

しかし、入管業務の基礎知識を体系的に学べる貴重な機会なので、真剣に取り組むべきです。

注意点として、届出済証明書には3年の有効期限があります。

有効期限が切れる前に更新研修を受けないと、再度新規で取得しなければなりません。

私も更新の時期が来るたびに、最新の法改正や実務動向を学び直す良い機会だと考えています。

入管業務は法改正や運用の変更が頻繁にあるため、継続的な学習が欠かせません。

申請取次行政書士として活動する以上、常に最新の知識をアップデートし続ける姿勢が求められるのです。

国際業務における報酬相場と将来性

入管業務は、行政書士業務の中でも比較的高い報酬が期待できる分野です。

日本行政書士会連合会の報酬額統計調査(令和2年度)によると、以下のような相場となっています。

在留資格認定証明書交付申請:平均11万2,372円

在留資格変更許可申請:平均9万4,385円

在留期間更新許可申請:平均4万6,546円

もちろん、案件の難易度や事務所の方針によって金額は大きく異なります。

私の事務所でも、シンプルな更新申請であれば5万円程度、複雑な案件では20万円を超えることもあります。

(報酬額の統計|日本行政書士会連合会)

入管業務の報酬が高い理由は、いくつかあります。

まず、専門的な知識と経験が必要だということ。

入管法や関連法規、さらには実務上の運用まで深く理解していなければなりません。

次に、依頼者の人生を左右するような重要な案件を扱うということ。

そして、言語の壁や文化の違いを乗り越えるコミュニケーション能力も求められます。

将来性という点でも、入管業務は非常に有望です。

日本は少子高齢化が進み、労働力不足が深刻化しています。

その結果、外国人労働者の受け入れは年々増加しているのです。

出入国在留管理庁の統計によると、令和4年6月末時点での在留外国人数は約296万人。

前年末と比較して約20万人(7.3%)も増加しています。

(令和4年6月末現在における在留外国人数について|出入国在留管理庁)

さらに、2024年末時点では約376万人にまで増加しているとのことです。

11年前の2013年末と比べると、なんと160万人以上も増えているのです。

この傾向は今後も続くと考えられます。

技能実習制度が見直され、新たな「育成就労制度」が導入される予定です。

特定技能の分野も拡大しています。

こうした制度改正により、日本を訪れる外国人の数はさらに増えていくでしょう。

私自身、開業当初は入管業務の依頼は月に1〜2件程度でした。

しかし今では、月に10件以上の相談や依頼をいただくようになりました。

外国人材の活用がますます進む日本社会において、入管業務の需要は確実に伸びていくと確信しています。

技能実習制度の仕組みと受け入れの流れ

監理団体や実習実施者が遵守すべき基準

技能実習制度とは、開発途上国の若者に日本の技術や知識を学んでもらい、母国の発展に役立ててもらうことを目的とした制度です。

建前上は「国際貢献」が目的とされています。

しかし実態としては、日本の中小企業の人手不足を補う制度として機能している側面もあります。

この制度には、大きく分けて2つの受け入れ方法があります。

企業単独型団体監理型です。

企業単独型は、日本企業が海外の子会社や取引先から直接実習生を受け入れる方式です。

しかし実際には、ほとんどの受け入れが団体監理型で行われています。

団体監理型では、「監理団体」と呼ばれる組織が実習生の受け入れや管理を行います。

監理団体は、事業協同組合や商工会などの非営利団体が多いです。

監理団体の主な役割は以下の通りです。

送り出し国の送り出し機関との調整。

実習生の受け入れ企業(実習実施者)の開拓。

実習計画の作成支援。

実習生の入国後の生活支援。

定期的な監査や訪問指導。

監理団体には、外国人技能実習機構から許可を受ける必要があります。

許可の基準は厳格で、財政基盤や監理体制、過去の法令違反歴などが審査されます。

一方、実習生を実際に受け入れる企業(実習実施者)も、一定の基準を満たす必要があります。

技能実習計画を作成し、外国人技能実習機構の認定を受けなければなりません。

実習生に対する適切な報酬の支払い。

労働関係法令の遵守。

技能実習責任者や技能実習指導員の配置。

安全衛生面での配慮。

こうした基準を守らなければ、技能実習計画の認定が取り消されることもあります。

実際、令和3年には約150もの事業所が認定を取り消されています。

その理由の半数以上が、労働衛生と働かせ方の問題だったそうです。

私が実習実施者の支援を行う際、最も力を入れているのが法令遵守の徹底です。

チェックリストを作成し、企業担当者が日々の対応を見直せるようにしています。

また、定期的にコンプライアンス研修を開催し、最新の法改正情報や実務上の注意点を共有しています。

送り出し機関との連携における注意点

技能実習生は、送り出し国の「送り出し機関」を通じて日本に来ます。

送り出し機関は、実習生候補者の募集、選抜、日本語教育などを行う組織です。

私がこの分野で特に印象に残っているのは、数年前に訪れたフィリピンの送り出し機関での経験です。

実際に現地を訪問して、実習生候補者たちと直接話をする機会がありました。

彼らの目はキラキラと輝いていて、「日本で働きたい」という強い想いが伝わってきました。

でも同時に、現地の担当者から厳しい現実も聞かされました。

日本での労働環境が過酷で、精神的に追い詰められて帰国した実習生の話。

トラウマを抱えて再就職もうまくいかず、希望を失ってしまった若者の話。

日本に来ることは、彼らにとって人生をかけた大きな賭けなのだと痛感しました。

送り出し機関との連携で重要なのは、信頼関係の構築です。

特にフィリピンでは、宗教(カトリック)の影響力が非常に大きいです。

送り出し機関の中には、教会や宗教法人が運営しているところも少なくありません。

私が訪れた機関では、神父様が若者たちの教育だけでなく、精神的な支えにもなっていました。

神父様は私にこう言いました。

「現地まで来て話を聞いてくれる日本人は本当に珍しい。だからこそ、あなたには期待している。」

その言葉に、私は責任の重さとともに、大きなやりがいも感じました。

送り出し機関と良好な関係を築くためには、以下の点に注意が必要です。

定期的なコミュニケーションを取ること。

文化や宗教への理解と配慮を示すこと。

実習生の母国での状況や背景を把握すること。

問題が起きた際には、迅速かつ誠実に対応すること。

また、送り出し機関の中には、残念ながら実習生から不当な手数料を徴収するところもあります。

こうした問題を未然に防ぐためにも、送り出し機関の選定は慎重に行う必要があります。

実習生の法的保護と書類作成のポイント

技能実習生は、日本の労働関係法令によって保護されています。

労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法など、日本人労働者と同じ法律が適用されます。

しかし残念ながら、こうした法令が守られていないケースが後を絶ちません。

厚生労働省の調査によると、技能実習実施者に対する監督指導で最も多い違反は以下の通りです。

1位:安全衛生関係の違反

2位:労働時間や休日に関する違反

3位:賃金不払い

私が実習生から相談を受けた事例でも、長時間労働や賃金未払いの問題が多くありました。

中には、残業代がまったく支払われていなかったケースもありました。

実習生の法的保護のためには、適切な書類作成と記録管理が不可欠です。

技能実習計画の作成では、以下の点に特に注意しています。

実習内容が在留資格の範囲内であること。

段階的な技能習得が計画されていること。

実習生の報酬が適切に設定されていること。

労働時間や休日が適法であること。

また、入国後の定期的な報告書類も重要です。

外国人技能実習機構への定期報告。

実習実施状況の記録。

賃金台帳や出勤簿の整備。

こうした書類を適切に作成・管理することで、法令違反のリスクを大幅に減らすことができます。

私は実習実施者に対して、書類のひな形やチェックリストを提供しています。

日々の記録を怠らないよう、継続的にサポートすることを心がけています。

さらに、実習生本人に対しても、日本の労働法制や自分の権利について説明する機会を設けています。

監理団体が行うオリエンテーションに同行し、わかりやすい言葉で説明するようにしています。

何か問題があれば、すぐに相談できる体制を整えることも大切です。

夜中に実習生から「監理団体には言いづらいけど、悩んでいる」と電話をもらうこともあります。

そんなときは、まず話をじっくり聞き、どう解決できるか一緒に考えます。

必要であれば、労働基準監督署や外国人技能実習機構などの専門機関にもつなげます。

実習生一人ひとりの声に耳を傾け、適切なサポートを提供することが、私たち行政書士の重要な役割だと考えています。

外国人サポートにおける他士業との棲み分け

社会保険労務士との業務範囲の違い

入管業務を行っていると、社会保険労務士(社労士)の先生方と連携する機会が多くあります。

両者の業務は一見似ているように見えますが、実は明確な違いがあります。

**行政書士は「民法や行政手続きに関する法律の専門家」**です。

主に入管業務、会社設立、許認可申請など、幅広い分野をカバーしています。

一方、**社労士は「労働関係、健康保険、年金制度の専門家」**です。

雇用保険や社会保険の手続き、給与計算、就業規則の作成などを扱います。

外国人雇用の場面では、それぞれが重要な役割を果たします。

例えば、外国人エンジニアを雇用する場合を考えてみましょう。

行政書士の役割:

在留資格「技術・人文知識・国際業務」の申請書類作成。

入管への申請取次。

会社設立時の定款作成(必要な場合)。

社労士の役割:

雇用保険・社会保険の加入手続き。

労働条件通知書の作成。

給与計算や勤怠管理のサポート。

このように、業務の入口は行政書士、雇用後の労務管理は社労士という棲み分けが一般的です。

私自身、信頼できる社労士の先生方と提携関係を築いています。

クライアントから労務関係の相談を受けたときは、すぐに社労士の先生を紹介できる体制を整えています。

逆に、社労士の先生から「外国人の在留資格について相談されたので、紹介したい」と連絡をいただくこともあります。

こうした相互紹介の関係が、クライアントにとって最善のサービス提供につながるのです。

労務管理とビザ手続きの境界線

外国人雇用において、労務管理とビザ手続きの境界線が曖昧になることがあります。

特に問題になりやすいのが、以下のようなケースです。

ケース1:配置転換や業務内容の変更

外国人社員の業務内容が大きく変わる場合、在留資格の変更が必要になることがあります。

例えば、「技術・人文知識・国際業務」で働いていた社員が、現場作業に配置転換されるケースです。

この場合、在留資格の範囲外の活動になってしまう可能性があります。

企業側は単なる人事異動と考えがちですが、入管法上は重大な問題です。

こうした判断は、行政書士の専門領域になります。

ケース2:労働条件の変更と在留資格への影響

給与の大幅な減額や、労働時間の変更なども、在留資格の更新に影響することがあります。

在留資格には「日本人と同等以上の報酬」という要件があるからです。

労働条件の変更自体は社労士の領域ですが、その変更が在留資格に及ぼす影響については行政書士が判断します。

私が実務で心がけているのは、社労士の先生と密に連携することです。

労働条件の変更があった際には、すぐに情報共有してもらうようにしています。

そうすることで、在留資格の更新時にトラブルが起きるのを未然に防げます。

また、外国人社員向けのオリエンテーションを開催する際も、行政書士と社労士が一緒に登壇することがあります。

私が在留資格や入管手続きについて説明し、社労士の先生が社会保険や労働条件について説明する。

こうした連携により、外国人社員は自分の権利と義務を正しく理解できるようになります。

2026年1月施行の改正行政書士法による影響

2026年1月1日から、改正行政書士法が施行されます。

この改正により、行政書士または行政書士法人でない者が、対価を得て官公署に提出する書類を作成することが厳格に制限されます。

(安心と信頼のサービスへ|アジア農業協同組合)

実は、これまで多くの監理団体や企業が、技能実習や特定技能の申請書類を自社で作成していました。

しかしこの改正により、対価を得て業として書類を作成する行為は、行政書士でなければできなくなります。

これは、外国人材受け入れの現場に大きな影響を与えると考えられます。

監理団体の中には、書類作成業務を外部の行政書士に委託せざるを得なくなるところも出てくるでしょう。

一方で、この改正は行政書士にとってはビジネスチャンスでもあります。

監理団体や企業から、書類作成の依頼が増えることが予想されるからです。

私自身も、すでに複数の監理団体から「法改正後の対応について相談したい」という連絡を受けています。

ただし、行政書士側にも課題があります。

技能実習制度や特定技能制度は、非常に複雑で専門的な知識が必要です。

通常の入管業務とは異なる、制度独自のルールや手続きも多くあります。

これから技能実習関係の業務に参入しようとする行政書士は、しっかりと実務知識を身につける必要があります。

書籍で学ぶ、実務セミナーを受講する、先輩行政書士に教えを請うなど、様々な方法があります。

私も開業当初は、技能実習制度について何も知らない状態でした。

書籍を読み、研修会に参加し、時には失敗もしながら、少しずつ知識と経験を積み重ねてきました。

今では年間50件以上の技能実習関係の申請をサポートしています。

法改正は、行政書士にとって新たな責任と可能性をもたらすものです。

しっかりと準備を整え、クライアントに最高のサービスを提供できるよう、日々研鑽を積んでいきたいと思います。

技能実習から「育成就労制度」への移行に関する動向

新制度導入で予想される手続きの変化

技能実習制度は、長年にわたって様々な問題が指摘されてきました。

実習生の失踪、労働環境の問題、制度の建前と実態の乖離など。

こうした課題を解決するため、政府は技能実習制度を廃止し、新たに「育成就労制度」を導入する方針を示しています。

正式な施行時期はまだ確定していませんが、2027年頃になると見込まれています。

新制度の詳細はまだ検討中の部分もありますが、以下のような変更が予想されています。

**制度の目的の明確化:**従来の「国際貢献」から「人材確保と人材育成」へと目的が転換されると考えられます。

**転籍(転職)の柔軟化:**現行制度では原則として認められていない転籍が、一定の条件下で可能になると言われています。

**日本語能力の重視:**入国前の日本語能力要件が強化される可能性があります。

**監理体制の強化:**監理団体に対する監督がより厳格化されるでしょう。

**手続きの簡素化:**申請書類や手続きが見直され、より効率的になる可能性もあります。

私が特に注目しているのは、転籍の柔軟化です。

現行制度では、実習生は原則として受け入れ企業を変更できません。

これが、労働環境が悪くても我慢せざるを得ない状況を生み出していました。

新制度で転籍が認められれば、実習生の権利保護につながると期待しています。

一方で、受け入れ企業側からは「せっかく育てた人材が辞めてしまうのでは」という懸念の声も聞かれます。

こうした企業には、労働環境を改善し、外国人材に選ばれる職場づくりをすることが求められるでしょう。

手続きの変化にどう対応するかも、行政書士の腕の見せどころです。

新制度の詳細が明らかになり次第、速やかに情報を収集し、クライアントに正確な情報を提供する必要があります。

私も、出入国在留管理庁や外国人技能実習機構の発表を常にチェックし、業界団体の勉強会にも積極的に参加しています。

特定技能へのステップアップと今後の展望

技能実習を修了した外国人は、「特定技能」という在留資格に移行できます。

特定技能は、2019年4月に創設された比較的新しい在留資格です。

人手不足が深刻な特定の産業分野において、即戦力となる外国人材を受け入れるための制度です。

特定技能には「特定技能1号」と「特定技能2号」があります。

特定技能1号:

特定の産業分野で働くことができる。

在留期間は通算5年まで。

家族の帯同は原則として認められない。

特定技能2号:

より高度な技能が求められる。

在留期間の更新に上限がない。

家族の帯同が認められる。

技能実習生が特定技能に移行するメリットは大きいです。

転職が可能になる。

給与水準が上がる可能性がある。

長期的に日本で働けるチャンスが広がる。

実際、私が担当している技能実習生の多くが、特定技能への移行を希望しています。

特定技能の申請は、技能実習ほど複雑ではありません。

一つ一つの書類の作成難易度は高くないのです。

ただし、制度に独自のルールがあり、一度流れを理解すれば効率的に対応できるようになります。

今後、特定技能の分野はさらに拡大していくと予想されます。

現在、特定技能は介護、建設、農業、漁業など12分野(2号は11分野)が対象です。

今後、他の産業分野にも拡大される可能性が高いと考えられています。

私が期待しているのは、特定技能がより「選ばれる制度」になることです。

技能実習は、実習生側に選択肢が少なく、どうしても企業側が有利な立場になりがちでした。

しかし特定技能では、外国人材が自分で働く場所を選べます。

これにより、企業間の競争が生まれ、労働環境の改善につながると期待しています。

外国人材受け入れ市場の最新トレンド

外国人材の受け入れ市場は、急速に変化しています。

最新のトレンドをいくつか紹介しましょう。

トレンド1:送り出し国の多様化

従来、技能実習生の送り出し国はベトナム、中国、フィリピンなどが中心でした。

しかし最近では、インドネシア、ミャンマー、カンボジア、さらにはネパールやインドからの実習生も増えています。

それぞれの国によって、文化や宗教、言語が異なります。

受け入れ側も、より多様な対応が求められるようになっています。

トレンド2:日本語教育の重視

入国前の日本語教育の重要性が高まっています。

日本語能力が高い実習生ほど、職場でのコミュニケーションが円滑で、トラブルも少ないという傾向があります。

監理団体や送り出し機関も、日本語教育プログラムの充実に力を入れています。

トレンド3:デジタル化の進展

在留資格の申請手続きも、徐々にデジタル化が進んでいます。

オンライン申請の対象範囲が拡大され、書類の電子提出も可能になってきました。

私も積極的にオンライン申請を活用しており、手続きの効率化につながっています。

トレンド4:地方での外国人材活用

外国人材の受け入れは、大都市圏だけでなく地方でも活発化しています。

農業や漁業、建設業など、地方の基幹産業で外国人材が不可欠になっています。

地方自治体も、外国人材の定着支援に力を入れ始めています。

私の事務所がある地域でも、外国人住民が年々増加しています。

地域の国際化に貢献できることは、行政書士としての大きなやりがいです。

トレンド5:共生社会の実現に向けた取り組み

外国人材を単なる労働力として見るのではなく、地域社会の一員として受け入れる動きが広がっています。

日本語教室の開催、文化交流イベント、生活相談窓口の設置など、様々な取り組みが行われています。

私も地域の国際交流協会と連携し、外国人住民向けの相談会を定期的に開催しています。

こうした活動を通じて、外国人と日本人が共に暮らしやすい社会づくりに貢献したいと考えています。

まとめ

今回は、行政書士の入管業務と技能実習制度について、実務家の視点から詳しく解説してきました。

最後に、要点をまとめておきます。

入管業務は、行政書士の花形とも言える専門性の高い業務です。

外国人が日本で生活するための在留資格の取得や変更、更新をサポートします。

報酬も比較的高く、将来性も抜群です。

在留外国人数は年々増加しており、今後もこの傾向は続くでしょう。

申請取次行政書士(ピンクカード)の取得は必須です。

研修を受講し、効果測定に合格すれば取得できます。

3年ごとの更新が必要なので、継続的な学習が求められます。

技能実習制度は、複雑で課題も多い制度です。

監理団体、実習実施者、送り出し機関など、多くの関係者が関わります。

法令遵守の徹底と、実習生の法的保護が何より重要です。

書類作成だけでなく、現場でのトラブル防止やコンプライアンス研修も行政書士の役割です。

社会保険労務士との連携が不可欠です。

行政書士は在留資格の専門家、社労士は労務管理の専門家。

それぞれの専門性を活かし、連携することでクライアントに最善のサービスを提供できます。

2026年1月施行の改正行政書士法により、ビジネスチャンスが広がります。

監理団体などが自社で書類作成することが制限され、行政書士への依頼が増えると予想されます。

ただし、専門的な知識と経験を身につける必要があります。

技能実習制度は「育成就労制度」へ移行する予定です。

転籍の柔軟化、日本語能力の重視など、制度の大幅な見直しが行われます。

新制度の詳細を注視し、いち早く対応できる体制を整えましょう。

特定技能への移行支援も重要な業務です。

技能実習を修了した外国人が特定技能に移行するケースが増えています。

特定技能の分野拡大により、今後さらに需要が高まるでしょう。

外国人材受け入れ市場は急速に変化しています。

送り出し国の多様化、日本語教育の重視、デジタル化の進展など、最新トレンドを把握しましょう。

地方での外国人材活用、共生社会の実現に向けた取り組みにも注目です。

最後に、私が入管業務に携わる中で最も大切にしていることをお伝えします。

それは、**「一人ひとりの外国人の人生に寄り添う」**ということです。

在留資格は、外国人にとって命の次に大事なものです。

その取得や更新に失敗すれば、日本での生活が続けられなくなってしまいます。

私たち行政書士は、そうした重大な局面に立ち会う存在です。

単に書類を作成するだけでなく、依頼者の想いを受け止め、最善の道を一緒に考える。

そんな姿勢を忘れずに、これからも業務に取り組んでいきたいと思います。

入管業務は確かに複雑で、難しい部分も多いです。

しかし、外国人の方々から「あなたのおかげで日本で働けます」「家族と一緒に暮らせます」と感謝されたとき、この仕事のやりがいを心から感じます。

共に、外国人と日本人が共生できる社会の実現に向けて、頑張っていきましょう。