行政書士試験に挑戦したい。

でも、「独学で合格できるのだろうか?」という不安を抱えている方は多いのではないでしょうか。

私自身も資格取得を目指した時、同じような悩みを抱えていました。

予備校に通うにはまとまった費用がかかります。

通信講座も魅力的ですが、本当に必要なのか迷ってしまいますよね。

今回は、行政書士試験の難易度から独学のメリット・デメリット、そして効率的な勉強方法まで、実践的な内容をお伝えします。

これから行政書士を目指す方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。

Contents

行政書士試験の難易度と合格に必要な基礎知識

まず最初に、行政書士試験がどれくらいの難易度なのかを見ていきましょう。

直近の合格率から分析する突破の難しさ

行政書士試験の合格率は、例年10〜14%前後で推移しています。

令和6年度は12.90%、令和5年度は13.98%、令和4年度は12.13%という結果でした。

10人受験して、合格できるのはわずか1〜2人という計算です。

この数字を見ると、「やっぱり難しいんだ…」と感じてしまいますよね。

出典: 一般財団法人行政書士試験研究センター

ただし、この合格率の低さには理由があります。

行政書士試験には受験資格がありません。

年齢、学歴、性別、国籍を問わず誰でも受験できるため、準備不足の「記念受験」も含まれているのです。

実際、しっかりと対策をした受験生に限定すれば、実質的な合格率はもっと高くなると考えられます。

実際、大手予備校アガルートの受講生の令和6年度合格率は46.82%と、全国平均の約4倍近い数字を記録しています。

つまり、適切な対策を行えば、決して手の届かない試験ではないのです。

法律初学者が確保すべき学習時間の目安

行政書士試験に合格するために必要な勉強時間は、一般的に500〜1,000時間と言われています。

特に独学の場合は、800〜1,000時間を見込んでおくべきでしょう。

法律の学習経験がない初学者であれば、1,000〜1,200時間かかるケースも珍しくありません。

これを1年間で達成しようとすると、1日あたり約3時間の勉強が必要になります。

半年での合格を目指すなら、1日5時間以上は確保しなければなりません。

一方、法学部出身者や他の法律系資格を持っている方なら、500〜600時間程度で合格できる可能性があります。

もちろん、これはあくまで目安です。

人によって学習効率は異なりますし、仕事や家事との両立状況によっても変わってきます。

大切なのは、自分に合った無理のないペースで、継続的に学習時間を確保することです。

180点を超えるための科目別配点と足切りの仕組み

行政書士試験は300点満点で、180点以上取れば合格できます。

つまり、正答率6割をクリアすればいいのです。

ただし、ここで注意が必要なのが「足切り」の存在です。

合格基準は以下の3つすべてを満たす必要があります。

・法令科目で122点以上(244点満点中) ・基礎知識科目で24点以上(56点満点中) ・全体で180点以上(300点満点中)

つまり、全体で180点以上取っても、法令科目や基礎知識科目で基準点を下回れば不合格になってしまうのです。

科目別の配点を見てみましょう。

法令科目の中でも、行政法は112点、民法は76点と圧倒的に配点が高くなっています。

この2科目だけで188点、全体の約6割を占めているのです。

つまり、行政法と民法をしっかり攻略できれば、合格にぐっと近づきます。

基礎知識科目は56点満点ですが、ここで24点以上を確保しなければ足切りに遭ってしまいます。

バランス良く点数を取ることが重要なのです。

独学で合格を目指すメリットと注意すべき限界

それでは、独学で行政書士試験に挑戦することのメリットとデメリットを見ていきましょう。

費用を最小限に抑え自分のペースで進められる利点

独学の最大のメリットは、なんといっても費用を抑えられることです。

予備校に通うと20万円以上、通信講座でも5〜10万円程度はかかります。

一方、独学なら参考書と問題集の購入費用だけで済みます。

テキスト代として3〜5万円程度あれば、十分な教材を揃えることができるでしょう。

また、自分のペースで勉強を進められるのも大きな魅力です。

予備校のカリキュラムに縛られることなく、得意な科目はさらっと進めて、苦手な科目にじっくり時間をかけることができます。

仕事や家事、育児との両立も、スケジュールを自由に組めるため調整しやすくなります。

通勤時間や昼休みなど、スキマ時間を有効活用できるのも独学ならではの強みです。

私も実際、通勤電車の中でテキストを読んだり、寝る前の30分を問題演習に充てたりしていました。

モチベーション維持や法改正情報の収集に伴うリスク

一方で、独学には無視できないデメリットも存在します。

最も大きな課題は、モチベーションの維持です。

一人で長期間勉強を続けることは、想像以上に孤独で辛いものです。

分からない問題に直面しても、すぐに質問できる講師がいません。

自分で調べて解決しなければならず、時には何時間も悩んでしまうこともあります。

また、法改正の情報収集も独学の難しさの一つです。

行政書士試験は法律の試験ですから、法改正があれば出題内容も変わります。

予備校や通信講座なら、法改正情報を適切にフォローしてくれますが、独学では自分で最新情報をキャッチアップしなければなりません。

古いテキストを使ってしまうと、間違った知識を身につけてしまう危険性もあります。

記述式問題の対策も独学では限界があります。

自分が書いた答案が正解なのか、どこが間違っているのかを客観的に判断することが難しいのです。

予備校や通信講座と比較した際の学習効率の差

学習効率という点では、やはり予備校や通信講座に軍配が上がります。

経験豊富な講師が、合格に必要な知識を厳選して教えてくれるからです。

独学だと、どの分野が重要なのか、どこに力を入れるべきなのかの判断が難しくなります。

予備校や通信講座では、合格に必要な勉強時間も500時間程度とされており、独学の約半分で済むと言われています。

また、学習スケジュールの管理も予備校や通信講座なら任せられます。

「今週はここまで進める」という明確な指標があるため、迷わず勉強を進められるのです。

ただし、これは「お金で時間を買う」という側面もあります。

費用はかかりますが、短期間で効率よく合格したい方には予備校や通信講座がおすすめです。

一方、時間をかけてでも費用を抑えたい方、自分のペースを大切にしたい方には独学が向いていると考えられます。

効率的な勉強方法を徹底解説:合格を引き寄せる戦略

ここからは、具体的な勉強方法について解説していきます。

配点の高い「行政法」と「民法」を最優先する理由

先ほども触れましたが、行政法と民法の攻略が合格のカギです。

この2科目で188点、全体の約6割を占めています。

極端な話、行政法と民法でほぼ満点を取れば、他の科目は最低限の点数でも合格できるのです。

行政法は行政書士の実務に直結する科目で、行政手続法や行政不服審査法などが出題されます。

民法は日常生活にも関わる身近な法律で、契約や相続、不法行為などが範囲となります。

この2科目に勉強時間の6〜7割を割くくらいの気持ちで取り組みましょう。

他の科目ももちろん大切ですが、まずは行政法と民法の基礎をしっかり固めることが最優先です。

憲法や商法は配点が低いため、基本的な知識を押さえる程度で十分だと考えられます。

過去問を単に解くだけでなく「理解」に変える反復術

過去問演習は合格への最短ルートです。

行政書士試験では、過去に出題された知識が繰り返し利用される傾向があります。

つまり、過去問を徹底的にマスターすれば、本試験でも同じような問題に対応できるのです。

ただし、ここで重要なのは「答えを覚える」のではなく「理解する」ことです。

過去問を何度も解いていると、答えを暗記してしまうことがあります。

しかし、それでは文章が少し変わっただけで解けなくなってしまいます。

「なぜこの答えになるのか」「どの条文が根拠なのか」を理解しながら解くことが大切です。

私がおすすめする方法は、「参考書と過去問を行き来する」やり方です。

参考書で知識をインプットしたら、すぐにその分野の過去問でアウトプットします。

間違えた問題は、必ず参考書に戻って理解を深めます。

この作業を繰り返すことで、知識が確実に定着していくのです。

最低でも3〜4周は繰り返しましょう。

記述式問題で部分ぎりぎりまで得点を積み上げる思考法

記述式問題は配点が高い反面、多くの受験生が苦手とする分野です。

行政法で20点、民法で40点、合計60点も配点されています。

ここで部分点をどれだけ積み上げられるかが、合格の分かれ目になります。

記述式では、40字程度で解答をまとめる必要があります。

完璧な答案を書くのは難しいですが、部分点を狙うことは十分可能です。

40字程度で要点をまとめるための文章構成トレーニング

記述式対策のコツは、「問題文から何を問われているのか」を正確に読み取ることです。

そして、該当する条文や制度、判例を思い出し、それを簡潔にまとめます。

文章構成としては、「結論→理由」の順番が基本です。

例えば、「Aは無効である。なぜなら○○の要件を満たしていないからである。」といった形です。

40字という制限があるため、不要な言葉を削ぎ落とし、要点だけを盛り込む訓練が必要になります。

過去問の記述式を繰り返し解き、模範解答と自分の答案を比較することで、文章力が磨かれていきます。

最初は思うように書けなくても、数をこなすことで徐々に慣れていきますので諦めないでください。

一般知識(基礎知識)での不意な失点を防ぐ対策

一般知識(令和6年度から「基礎知識」に名称変更)は56点満点で、24点以上取らなければ足切りに遭います。

この科目は範囲が広く、対策が難しいと言われています。

政治、経済、社会、情報通信、個人情報保護、文章理解など、多岐にわたる分野から出題されます。

正直なところ、一般知識に多くの時間をかけるのはコスパが悪いです。

ただし、足切りを避けるため、最低限の対策は必要になります。

おすすめの対策は、過去問を中心に頻出テーマを押さえることです。

特に情報通信や個人情報保護は、行政書士の実務にも関連するため、毎年出題されます。

文章理解は国語の読解問題ですので、こちらも確実に得点したいところです。

一般知識は短期間で一気に詰め込むよりも、日頃からニュースをチェックしたり、新聞を読んだりする習慣をつけることが効果的だと考えられます。

独学者のための使用教材選びと活用ガイド

教材選びは独学の成否を左右する重要なポイントです。

図解やイラストが豊富で挫折しにくい参考書の条件

初学者におすすめなのは、図解やイラストが豊富なテキストです。

法律の条文は硬い文章で書かれていることが多く、読んでいるだけで眠くなってしまいます。

しかし、図やイラストで視覚的に理解できるテキストなら、頭に入りやすくなります。

また、各項目ごとに丁寧な解説があるテキストを選びましょう。

専門用語が羅列されているだけのテキストは、初学者には不向きです。

具体例を交えて説明してくれるテキストなら、実務のイメージも掴みやすくなります。

人気のテキストとしては、TAC出版の「みんなが欲しかった!行政書士の教科書」や、「合格革命 行政書士 基本テキスト」(早稲田経営出版)などがあります。

出典: TAC出版書店

実際に書店で手に取って、自分に合ったものを選ぶことをおすすめします。

アウトプットの質を高める問題集や肢別過去問の組み合わせ

問題集は、過去問を中心に選びましょう。

おすすめは「肢別過去問集」です。

肢別過去問集とは、五肢択一式の問題を一肢ごとに分解して、○×形式で解答していくものです。

これにより、一つ一つの知識を正確に理解できているかを確認できます。

また、記述式問題集も必須です。

記述式は配点が高いため、専用の問題集で対策する必要があります。

過去問だけでなく、予想問題も含まれているものを選ぶと良いでしょう。

問題集は「出題範囲別」に整理されたものがおすすめです。

同じテーマの問題を集中的に解くことで、知識の定着率が高まります。

六法や模試を効果的に取り入れるタイミング

六法は、行政書士試験の勉強に必須というわけではありません。

テキストに主要な条文は掲載されているからです。

ただし、細かい条文を確認したい時のために、コンパクトな六法を一冊持っておくと便利です。

「ポケット六法」や「デイリー六法」など、持ち運びしやすいものが良いでしょう。

模試は、試験の2〜3ヶ月前から活用するのが効果的です。

予備校が実施する公開模試を受けるのも良いですし、市販の予想模試問題集を購入するのも一つの方法です。

本番の環境を想定した模擬試験の活用による時間配分の習得

模試の目的は、本番の環境に慣れることです。

行政書士試験は3時間という長丁場です。

時間配分を間違えると、最後まで解き切れずに終わってしまいます。

模試を本番と同じ環境で解くことで、自分に合った時間配分を見つけることができます。

例えば、「五肢択一式に2時間、多肢選択式に30分、記述式に30分」といった具合です。

また、模試の結果から自分の弱点を把握し、残りの期間で重点的に対策することも重要です。

模試は一度解いて終わりではなく、何度も解き直すことで知識を定着させましょう。

短期合格を勝ち取るためのスケジュール管理と習慣化

合格するためには、計画的なスケジュール管理が欠かせません。

試験日から逆算した月別の学習ロードマップ

行政書士試験は毎年11月の第2日曜日に実施されます。

そこから逆算して、いつまでに何をするかを明確にしましょう。

例えば、1年前から勉強を開始する場合のモデルスケジュールは以下の通りです。

・1〜3ヶ月目:憲法、行政法の基礎を固める ・4〜6ヶ月目:民法の基礎を固める、商法の学習 ・7〜9ヶ月目:過去問演習、記述式対策開始 ・10〜11ヶ月目:模試受験、弱点補強 ・試験直前:総復習、最終調整

これはあくまで目安ですので、自分の理解度に合わせて調整してください。

大切なのは、定期的にスケジュールを見直すことです。

最初に立てた計画通りに進まなくても、それは当然のことです。

進捗状況を確認しながら、柔軟に計画を修正していきましょう。

仕事や家事の合間に取り組むスキマ時間の有効活用

社会人や主婦の方にとって、まとまった勉強時間を確保するのは難しいものです。

そこで重要なのが、スキマ時間の有効活用です。

通勤電車の中、昼休み、待ち時間など、1日の中には意外と多くのスキマ時間があります。

例えば、往復1時間の通勤時間と、昼休みの30分を勉強に充てるだけで、1日1.5時間の勉強時間が確保できます。

スキマ時間の学習には、スマホアプリの活用もおすすめです。

資格の大原が提供する「行政書士トレ問」などのアプリを使えば、いつでもどこでも問題演習ができます。

また、最近ではスマホで学習できる通信講座も増えています。

スタディングなどのオンライン講座なら、スキマ時間を最大限に活用できるでしょう。

公式サイトで明言されない「合格者に共通する学習環境」の傾向(※独自の分析に基づく)

合格者に共通する特徴を独自に分析すると、いくつかのポイントが見えてきます。

まず、合格者の多くは「継続する力」を持っています。

1日2〜3時間でも、毎日コツコツと積み重ねることが大切です。

また、自己管理能力が高い方が合格しやすい傾向があります。

スケジュールを自分で立て、それを守る習慣が身についている方は強いです。

さらに、柔軟性も重要です。

計画通りに進まなくても、すぐに修正して前に進める方が合格を掴んでいます。

法律の学習経験がある方は有利ですが、初学者でも適切な対策を行えば十分に合格可能です。

大切なのは、諦めずに最後まで走り切ることなのです。

まとめ

行政書士試験は、独学でも十分に合格を目指せる試験です。

ただし、適切な教材選び、効率的な勉強方法、そして計画的なスケジュール管理が不可欠になります。

独学のメリットは費用を抑えられることと、自分のペースで学習できることです。

一方で、モチベーション維持や法改正情報の収集には注意が必要です。

合格の鍵は、配点の高い行政法と民法を最優先で攻略することです。

過去問を繰り返し解き、記述式対策にも力を入れましょう。

一般知識は足切りを避けるための最低限の対策で十分だと考えられます。

スキマ時間を有効活用し、毎日コツコツと勉強を積み重ねることが合格への近道です。

独学で挑戦する方も、通信講座や予備校の利用を検討している方も、自分に合った学習方法を見つけることが何より大切です。

諦めずに最後まで努力を続ければ、必ず合格の栄冠を掴めるはずです。

皆さんの合格を心より応援しています。